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肥満と高血圧の関係

「今回は、前々回の続きの高血圧のお話で、日本高血圧学会が挙げている6つの生活習慣を見直すポイントのうち3~6番目の、適正体重の維持、運動療法、アルコール制限、禁煙についてだね。」

今回は、適正体重の維持という観点から肥満と高血圧についてお話したいと思うんだ。

「は~い。ねぇ、肥満って、体に余分な脂肪が蓄えられた状態っていうけど、どうして肥満になると血圧が上がってくるの?」

血圧は、血液が血管の壁を押す圧力のことで、心臓が送り出す血液の量と細い血管の抵抗力(抹消血管抵抗)に左右されることを第34回の健康通信でお話したのを覚えているよね。肥満の人の血液量は、通常の人よりも多く、心拍数は通常の人と変わらないんだよ。

それで、一回の心臓から押し出される血液の量が増え、血管にかかる圧力が多くなるよね。それに、血液の中にも脂肪が含まれ血液自体もドロッとなったり、脂肪組織自体が血管を圧迫するから血圧が上がってくるんだよ。

さらに、血液中のインスリン濃度が高くなる「高インスリン血症」も考えられるよ。

「インスリンって、すい臓から分泌されるホルモンでしょ?それが高血圧とどう関係するの?」

インスリンは、血液の中のブドウ糖を細胞へ取り込む手助けをしているホルモンだね。脂肪が多い細胞はインスリンの働きを抑える物質を作り出し、その物質が血液中のブドウ糖を細胞に取り込むのを邪魔するんだよ。

そのため、すい臓はますますインスリンを作り出さないといけないと思い、頑張っちゃう結果、高インスリン血症になるんだよ。

高インスリン血症になると血圧を上げる交感神経が活性化したり、腎臓の働きが低下して、ナトリウム(塩)を排泄する働きが落ちて体内に水分が溜まったりしてその結果、血圧が上がるんだよ。

「ちょっと難しいなぁ。でも、インスリンは糖尿病だけではなく、高血圧にも関係することがわかったよ。ところで肥満には、内臓脂肪型肥満と、皮下脂肪型肥満があるって聞いたことがあるんだけど、どう違うの?」

2つの違いは脂肪のたまる場所の違いで、内臓脂肪型肥満は、内臓の周り、特に腸の周りに脂肪がたまる肥満で別名、上半身(リンゴ型)肥満と言われ、皮下脂肪型肥満は、皮膚の下やお尻から太ももにかけて脂肪がたまる肥満で別名、下半身(洋ナシ型)肥満といわれているよ。

注意を要するのは内臓脂肪型肥満で、これは高血圧だけではなく糖尿病、脂質代謝異常などメタボリックシンドロームに繋がる危険性、さらに動脈硬化症、胆石症、睡眠時無呼吸症候群、癌が引き起こされる危険性があるんだよ。

ちなみにオヘソの高さで測った腹回りが、男性では85cm、女性では90cm以上あると、「内臓脂肪型肥満」と判定されるよ。皮下脂肪型肥満は、内臓脂肪型肥満よりメタボリックシンドロームになる危険性は低いけど、心臓や膝に負担がかかるのでやはり健康上注意が必要だね。

「ふ~ん。で、そもそもなんで肥満って起こるの?」

肥満は、食べすぎ、運動不足に加え、食べ方の異常、生活パターンの変化、ホルモン、遺伝などが考えられるよ。

「遺伝も関係しているんだ。」

1994年に肥満遺伝子が発見され、体内に大量の脂肪を蓄積する能力は遺伝することがわかってきたんだ。でも遺伝3割に対して、食べすぎ、運動不足、生活パターンの変化などの環境が7割といわれているからね。

「痩せない理由を遺伝のせいにしてちゃダメだってことだね。じゃあ、肥満対策としてはどうすればいいの?」

それには、まず自分がどれだけ肥満しているかを知ることから始まるよ。それには、体脂肪量、からだについている脂肪の割合(体脂肪率)があり、さらに標準体重、適正エネルギー量を知ることが大切なんだ。

体脂肪量を体重で判定する方法として、BMI(ボディマスインデックス=体格指数)があるよ。その計算は、 BMI=体重(㎏)÷{身長(m)×身長(m)} で、おおよそ18.5未満が痩せ、18.5から25未満が標準、25から30未満が肥満、30以上が高度肥満で、このBMI数値が約22の時、さまざまな病気を併せ持つ割合が最も小さく適正といわれているよ。

ただ、この方法は、筋肉で体重がある人も肥満傾向に判定されちゃうけどね。最近では、体脂肪計が一般にも普及し始め、体脂肪率によって肥満の判定を行う場合も増えてきたね。体脂肪計の主な原理は、「脂肪は電気を通しにくい」という性質を利用して、体の電気抵抗を測ることで体脂肪率を測定しているんだよ。

で、男性が30歳未満で14~20%、30歳以上で17~23%、女性が30歳未満で17~24%、30歳以上で20~27%が標準体脂肪率と言われてるよ。 標準体重の計算は、 標準体重(㎏)=身長(m)× 身長(m)×22 で計算できるよ。

適正エネルギー量の計算は、 適正エネルギー量 = 標準体重(㎏)× 体重1㎏あたりの必要なエネルギー(kcal) で計算できるよ。必要エネルギーはその人の運動強度によって変わるので、以下の表を参考にしてね。

日々での生活強度     職種など  体重1㎏あたりの必要なエネルギー量(kcal) 
1.比較的軽度の活動  一般事務、技術者、幼児のいない主婦   25~30
2.中等度の活動  製造業、加工業、サービス業、幼児のいる主婦   30~35
3.やや重い活動  農業、漁業、建設作業  35~40 
4.重労働  農繁期の農作業、林業、プロスポーツ選手  40 

「うちのお母さん、身長が1m55cmで、この間、うちにある体脂肪計のついている体重計で測定したら体脂肪率が30%で体重が63㎏あるっていってたけど・・・・・」

そうなの?じゃあ、これらの計算に当てはめてみようか。まずは、BMIから。 BMI= 63(kg) ÷{1.55(m)×1.55(m)}= 26.2 BMIが25~30未満、体脂肪率が30歳以上だと20~27%が標準体脂肪率だから、君のお母さんは明らかに肥満だから減量する必要があるね。そこで、君のお母さんの標準体重は、 標準体重 = 1.55(m) × 1.55(m) × 22 = 52.9 (kg)

君のお母さんは、今ある63kgから53 kgまで減量しないといけない計算になるね。 ところで君のお母さん、職業は何?

「うちのお母さん、ケアマネジャーだよ。」

それじゃあ、サービス業で中等度の活動だから、体重1kgあたりの必要エネルギー量は、30~35kcalだね。そうすると、一日の適正エネルギー量は 一日の適正エネルギー量 = 52.9kg × 30~35kcal = 1,587~1,852kal だね。

「肥満の解消、改善のための食事療法のコツを教えて欲しいんだけど」

体重を減らすことだけを目的に、極端に食べる量を減らしたり、単品ダイエット(りんご、バナナなど)を行うと、体に必要な栄養が不足するため、それを補うために筋肉や骨が分解されたり、基礎代謝量(生命維持に最低限必要なエネルギーの量)が落ちたりして食事の量を増やしたときに脂肪のつきやすい(太りやすい)体質になり、いわゆる「リバウンド現象を」起こしちゃうよ。

また カロリーを制限しても、栄養のバランスの悪い取り方は良くないよ。必要な栄養素は、「糖質」、「たんぱく質」、「脂質」、「ビタミン」、「ミネラル」の5種類に分けられ、これらを「五大栄養素」と言うよ。一般的には、1日の総エネルギー量の50~60%を糖質、15~20%をたんぱく質、20~25%を脂質から摂ると良いとされているよ。

ビタミン、ミネラルは意識して、また食物繊維も忘れずに摂ろうね。また、1日3食はしっかり摂り、食べたものとカロリーを記録しておくことも効果的だよ。間食は基本的に禁止。どうしても食べたいときは1日の摂取エネルギーの範囲内で食べる量を決めてね。

次回は運動についてお話するね。

今回はこれでおしまい。



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