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血圧を運動で下げよう

前回は、日本高血圧学会が挙げている6つの生活習慣を見直すポイントのうち、適正体重の維持の観点から肥満と高血圧のお話だったけど今回は運動と血圧のお話をしようね。

「ねぇ、高血圧を始め、糖尿病、脳卒中、心臓病、脂質代謝異常、肥満などいわゆる生活習慣病には必ず運動を勧められるけど、高血圧の場合どうして運動すると血圧が下がるのかなぁ?運動するとなんだか血圧が上がる気がするんだけど・・・」

確かに運動をすると、血液を全身に送り出すために、心臓から送り出す1回の血液の量(心拍出量)が増え、血圧は一時的には上がるんだよ。体が温かくなるのは血液循環が良くなって血流量が増えるからだよ。

でもね、運動を日常生活に習慣として取り入れ始めると、おしっこを促すホルモンが活性化され、体の水分量が減るんだよ。そして、運動が習慣化されると僕たちの体に無意識に働く自律神経のうち交感神経の活動が低下して、細い血管(末梢血管)の抵抗が弱くなったり、血液の粘度が低下してサラサラになったり、カロリー消費による体重減少(内臓脂肪の燃焼)がみられ、血圧が下がるようになるんだ。

「そうなんだぁ。運動で血圧を下げるには、何事もそうだけど三日坊主じゃダメなんだね。じゃあどうしたら運動を習慣化することができるの?」

それには、運動の種類、強度、所要時間、頻度の4つのポイントを考える必要があるね。

「その4つのポイントを詳しく教えてもらえる?」

もちろんだよ。じゃあ、第1のポイントの運動の種類からだよ。運動は、エネルギーを発生する仕組みから「無酸素運動」「有酸素運動」とに分けられるよ。

「聞いたことはあるけど詳しくは知らないんだよね。」

無酸素運動は、筋肉トレーニングや短距離走などのように、運動の強度が激しく、筋肉の中にあるグリコーゲンという物質を、酸素を使わずに一気にエネルギーに変えてしまう運動で、有酸素運動は、ウォーキングや軽いジョギング、ゆっくりとした水泳などのように、運動の強度は激しくなく、脂肪や糖質を酸素によってエネルギーに変えながら行う規則的な繰り返しのある比較的軽い運動のことだよ。

「血圧を効果的に下げるにはどちらがいいの?」

基本的には有酸素運動だね。でも無酸素運動は、筋肉を重点的に鍛えることのできる運動なので、基礎代謝量を上げるには効果的なんだ。基礎代謝とは、快適な環境温度の下で、空腹で安静にしている時のエネルギーのことで、体温を保つ、呼吸をする、心臓を動かすなどの生命維持に最低限必要なエネルギーのことだよ。

前回の健康通信にも少し触れたよね。覚えてるかな?筋肉をつけることで基礎代謝が上がり、体脂肪を燃えやすくするので、腕立て伏せや腹筋などの軽い無酸素運動も大切なんだよ。

「有酸素運動の場合、強度としてどれぐらいが適切なの?」

そうだね、全力(最大酸素摂取量)を出し切った時の40~60%の運動が適切と言われているよ。これは、「いくらでも続けられる」「じんわり汗ばむ」と感じる程度の運動だよ。

「全力で出し切った時の40~60%の運動で何かいい指標はないの?」

あるよ。それは、心拍数だよ。

「どうやって測るか教えてくれる?」

もちろんだよ。まず、安静にしている時の脈拍を数えてみて。手首の外側にある脈を15秒間数えてみて、それを4倍にしてね。これが1分間の「安静時脈拍数」だよ。運動の直後に同じ方法で脈拍を測定するんだけど、脈拍はすぐ減少するから1分間の運動直後の脈拍数に10拍を足してね(運動直後15秒の脈拍数×4+10)。この値が全力を出し切った時の40~60%であれば適切な運動強度だよ。 目標の運動強度の脈拍数は、 安静時脈拍数 +(最大脈拍数 - 安静時脈拍数)×40~60/100 で計算できるよ。ここでの最大脈拍数とは、100%の運動強度の脈拍数のことでそれは、220 - 年齢 で表すことができるよ。

「なんだか難しいなぁ」

じゃあ、具体的に計算してみようか。君のお父さんの年齢はいくつ?

「48歳だよ」

じぁ、お父さんの100%の運動強度の脈拍数(最大脈拍数)は、220 - 48 = 172 だね。君のお父さんの安静時脈拍数が70とすると、君のお父さんにとって40~60%の運動強度の脈拍数は、 70 + (172 - 70) × 40~60/100 = 111~132  つまり、君のお父さんが40~60%の運動強度 の運動をする場合の1分間の脈拍数は、111~132 となるね。ところで、「ニコニコペース運動」って言葉聞いたことある?

「ニコニコペース運動?何それ?」

ニコニコペース運動とは、息がさほど弾まず、心臓の動悸も激しくならずに数時間楽に続けられる比較的軽い全身運動のことで、笑顔を浮かべ、おしゃべりをしながらでもできることから名付けられたんだよ。高血圧の改善に進められている運動なんだよ。ニコニコペース運動の心拍数は、 138 - 年齢 ÷ 2 で計算できるよ。君のお父さんの場合、138 - 48 ÷ 2 = 114 だね。これは運動中の脈拍数だから運動をストップして測る時はこの値に10拍プラスしてね。

「ニコニコペース運動を1回、どれぐらいの時間続ければ効果があるの?」

回20~60分程度だね。20分以上のニコニコペース運動を続ければ脂肪燃焼効果がより顕著に出てくるよ。最近では細切れであっても一日合計30分以上の運動でも効果があるって言われているよ。

「一週間にどれぐらいの回数をやればいいの?」

中高年の場合、軽い運動なら毎日やったほうがいいけれど、最低週3日で効果はあると言われているよ。何より大切なことは「運動を継続する」ことを忘れないでね。

「一番お勧めの運動ってなにかなぁ?」

やっぱりウォーキングが一番だね。

「うちのお父さん、ぜんぜん運動しないんだよね。運動を始めるにあたって何か注意点ってある?」

いい質問だね。すでに心臓や血管に病気を持っている人、特に心不全、狭心症、心筋梗塞、脳卒中などの心血管病を持っている人は、運動中の血圧上昇によって発作が起こる可能性があるし、腎臓に障害がある人も運動が制限されることがあるし、インスリンや経口血糖降下治療を受けている人は、低血糖の危険性があるので主治医に相談する必要があるよ。

健康な人でも、運動する前に、血圧や脈拍を測って体調のチェックをすること。決して無理しないこと。運動する前にストレッチをして血液循環を促したり、筋肉の傷害を予防すること。運動前後と運動中に必ず水分補給すること。ニコニコペースかどうか脈拍を測って確認すること。運動に適した靴や服装を身につけることなどだね。

今回はこのへんでおしまいにしようね。



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