伝馬町鍼灸院健康通信 あなたのめまい どのタイプ?

伝馬町鍼灸院健康通信
あなたのめまい どのタイプ?

あなたのめまい どのタイプ?

今回は、めまいのお話をするね。

「『めまい』って自分や周囲が本当は動いていないのに動いているように感じる異常な感覚のことだね。うちのお母さんもこのあいだ、立ち上がった時にめまいがするって言ってたよ。」

一口にめまいと言っても症状は様々だけど、大きくは以下の『ふわふわするめまい』、『ぐるぐる回るめまい』、『クラっとするめまい』の3つに分けることができるよ。

ふわふわするめまい:まるで雲の上を歩いているような、ふわふわ、ふらふらするめまい。多くは不安やストレスが原因で、ゆっくり休むことで改善される。ただし、このめまいの中には脳卒中や脳腫瘍など脳の病気からも起こることがある。
ぐるぐる回るめまい:自分や周りがぐるぐる回るように感じるめまいで、多くは耳の器官に原因がある。耳は『外耳』」、『中耳』、『内耳』の3つに分けられ、一番奥にある内耳には体の動きなどの情報を感知する『三半規管』などがあって、ここで感知した情報は『前庭(ぜんてい)神経』を通して脳に伝えられる。これらが異常に働くと体のバランスが保てなくなりめまいが起こる。病名としては『メニエール病』、『突発性難聴』、『良性発作性頭位めまい症』、『前庭神経炎』などがある。
クラっとするめまい:立ち上がった時にクラっとしたり、目の前が暗くなったりするめまいで、めまいの中で非常に多いタイプ。血圧の急激な変化によって脳の血流量が少なくなることが主な原因。

めまい以外にも、頭痛や肩こり、イライラなどの症状を伴う場合は、『自律神経の失調』や『更年期障害』が原因となっていることもある。最近では『過労』、『睡眠不足』、『ストレス』によってクラっとするめまいが現れる人も多い。

「ふわふわするめまいの中には、命に関わるような脳の病気から起こることもあるんだね。でも、どうして脳の病気でめまいが起こるの?」
それは、健康な場合、脳には脳幹と小脳という場所があり、それらは目、耳、全身の関節、筋肉などから入ってきた情報を整理して、体のバランスを保つための指令を出しているんだよ。脳の病気によって脳幹や小脳が障害されると、全身から送られてきた情報を整理することができなかったり、体のバランスを保つための指令をだすことができなかったりして、めまいが起こるんだよ。

もし、めまいの他に、激しい頭痛が起こったり(くも膜下出血の可能性)、手や足、顔のしびれや麻痺が体の片側に出たり(脳梗塞、脳出血の可能性)、意識がなくなったり(脳の病気の悪化の可能性)、ろれつが回らない(小脳にある血管が破れて出血の可能性)などの症状が一つでもあれば、すぐに医療機関を受診する必要があるよ。

「『ぐるぐるするめまい』は耳の病気が起因することが多いんだね。」
そうだね。『メニエール病』は、内耳が水ぶくれのような状態になって機能が障害されるんだ。『突発性難聴』は内耳のウィルス感染や血流障害が原因と考えられていて、難聴を伴う。『良性発作性頭位めまい症』は三半規管の内部に細胞やたんぱく質などの粒子がたまり、三半規管が正常に働かなくなる。

『前庭神経炎』は、前庭神経が何らかの原因で障害されて、正常に働かなくなる病気だよ。 めまいのタイプによっておおよその原因が推定できるけど、正確な原因を特定できるわけではないよ。

過労や不安、ストレスが原因の場合、どのタイプのめまいも起こりえるし、ぐるぐる回るめまいが脳の病気で起きたり、ふわふわするめまいが耳の病気で起こることもあるからね。
「どの症状でも、まずは耳鼻咽喉科を受診してお医者さんに診てもらうことが大切だね。」
今回はこれでおしまい。

伝馬町鍼灸院