来院
2022年8月
症状
去年の終わりごろから左腕を動かすと痛みが出始めたので整形外科を受診したが、骨には特に問題はないと言われ、シップ薬をもらった。
そのままにしておいたら、夏あたりから車の運転中に痛みが出るようになった。夜も寝返りをすると痛くなってきた。
腕を上下に動かすと痛み、後ろ上に挙げる動作が痛くてできない。
今回、このように肩関節が痛くなったことがなく、不安になり近くの鍼灸院をHPで探したところ、当院をみつけ施術を受けることにした。
施術内容
仰向けでお臍とみぞおちの中間あたりのツボ(中脘)にお灸を施術後、圧痛のある右足三里にお灸を施術した後、腹部の圧痛、張りの部位を確認したところ、お臍の上4cmあたりに圧痛があり、脾積で対応した。
伏臥位で腹部の圧痛の部分に関連した部位のいくつかを純金の刺さない鍼で、1番の圧痛点を探し、印をつけた後、圧痛のある側の天宗にお灸を据えた。再度、純金の刺さない鍼で、1番圧痛のある所を選び、そこへお灸を据えた。
次に右を下にして側臥位になっていただき、肩関節にある肩髃といツボおよび、その周りにある圧痛点5か所にお灸を据えた。
再度仰臥位になり、腹部の圧痛の変化を確認し、足のツボにお灸を行った。左右の陽池の圧痛がある側にお灸をして、再度腹部の圧痛の変化を確認し、お臍を棒灸で温めた。
わき腹、腹部、頭部、両手、両足の体温を測定して、施術前後の体温の変化を確認した後で、座位になり、肩にお灸を5回行って施術を終了した。
1回目の施術前と施術後の体温(℃)
脇 | 腹部 | 頭部 | 左手 | 右手 | 左足 | 右足 | |
施術前 | 36.1 | 36.3 | 36.9 | 36.8 | 36.6 | 36.6 | 36.6 |
施術後 | 36.4 | 36.8 | 36.8 | 36.9 | 36.9 | 36.8 | 36.8 |
使用経穴
中脘、R足三里、L天宗、L陽関、L肩髃およびまわりの圧痛点、R陽池、神闕、B肩井
施術経過
2診目(初診より5日目):夜寝がえりした時に左肩に痛みが出る。左腕を後ろに挙げ肘を曲げることができるが痛みが出る。脾積で対応
3診目(初診より8日目):左腕を後ろに挙げ肘を曲げる動作での痛みはそれほど変わらない。肺積で対応
4診目(初診より15日目):左腕を後ろに挙げ肘を曲げる動作での痛みは、最初を10とすると3までに減少。脾積で対応
5診目(初診より23目):左腕を後ろに挙げ肘を曲げる動作での痛みは、最初を10とすると1~2までに減少。日常生活でも困らない。肺積で対応
本人の希望でここで終了した。
5回目の施術前と施術後の体温(℃)
脇 | 腹部 | 頭部 | 左手 | 右手 | 左足 | 右足 | |
施術前 | 36.1 | 36.3 | 36.7 | 36.5 | 36.5 | 36.4 | 36.4 |
施術後 | 36.1 | 36.7 | 36.7 | 36.8 | 36.8 | 36.5 | 36.5 |
考察
五十肩は正式名では肩関節周囲炎という。五十肩は、40~50歳代に多く、肩の関節に付着する筋肉が加齢・老化による柔軟性の欠如に加え、胸、背中の筋肉の衰えも加わり、猫背傾向になり肩関節が炎症起こすことが発症する原因の1つです。
当院では、病名に関わらず、すべての病は生命エネルギーの低下が原因であると捉え、お腹から東洋医学で言われる内臓同士のエネルギーのバランスの乱れを判断し、その乱れに関連する背中のツボを刺激することで内臓同士のエネルギーのバランスを整えることで生命エネルギーが回復し、私たちの本来の持つ自然治癒力が発揮され、病状が改善されると考えております。
ですから、局所の施術では、時間のかかる症状でも、根本である生命エネルギーの低下を改善することを優先的に行うことで、症状が早く改選することがあります。
今回は、その良い例として取り上げました。
お電話ありがとうございます、
伝馬町鍼灸院でございます。