症例 片頭痛 

症例報告 脳・脊髄・神経の異常

額あたりの頭痛

お客様

男性 30代

来院

2017年 5月

職業

製造業 事務

症状

額あたりの頭痛

当院に来院する2週間前に仕事中、背筋から頭にかけての痛みが出てきて、立っていると頭痛が続くので、近くの病院に一週間ほど検査入院したが異常はみられなかった。7年前に頭痛がして、気持ちが悪くなり吐いたことが最初で、その後3か月から半年にかけて同じ症状がでるも、通常だと吐いて休めば治まっていたが、今回は治りきらなかった。今でも額のあたりに頭痛がある。夕方仕事中あくびがでると症状が出てくる。原因はわからないが、眠りが浅いことが原因かもしれない。病院ではロキソニンをもらっている。

他の症状

吐き気、首が張る、体が重たい

施術内容

お臍から上4.5㎝あたりの圧痛

仰向けで腹部、手首にあるツボに鍼施術した後、腹部の圧痛、張りの部位を確認したところお臍から4.5㎝上あたりに圧痛、張りが感じられた。これを改善の指標として施術を行った。

背中に棒灸施術を行っているところです

伏臥位で首、肩、背中、腰の張りを確認しながら、背中のツボに鍼、棒灸を行った。

足の第1,2指の間にある指間穴を刺さない鍼で刺激しているところです

仰臥位で腹部の圧痛や張りを確認し、両足の親指、人差し指の間の指間穴に痛みが感じられなくなるぐらい刺さない鍼で刺激した。

 

セルフケアとして、足三里を刺激するために、台座灸を差し上げた。

使用経穴

神闕、太淵R、膏肓L、胃倉L、志室下L、魂門L、神道、接骨、腰陽関、筋縮、両足親指・人差し指の間の指間穴、頸椎4,5番L際

経過

2診目まで:頭痛、吐き気がある。小走りすると頭に響く。

2診目:首のこりが強いため、頸椎4,5番の間の左際に刺絡をする。

3診目(初診より11日目):「首の張り感や頭痛が出ることもあるが吐くことはなくなった。」とのこと。

4診目:「吐いたりすることもなく、頭痛もだいぶよくなったがからだが重い」とのこと。

6診目:「今は、頭痛はなく、平常通り仕事をこなしている。最初に来た時の状態を10とすると現在は1から2ぐらい。」とのこと。

7診目(38日目)「頭痛もなく、吐き気もない。食事も普通にとれる。寝つきも悪くない。」とのこと。

考察

原因不明の頭痛には、緊張型、片頭痛が多いが、この症例では吐いたりもしているので、片頭痛のタイプと思われる。緊張型頭痛では、首や肩の筋肉のこりが頭痛の要因になることがあるが、片頭痛でも首のこりが強い場合が多く、首の刺絡によって首のうっ血(血液の滞り)を処置すると好転してくる場合がある。今回は、2回目に首のうっ血処置をすることで改善を早めることができた症例である。

伝馬町鍼灸院