冷え症 対策:呼吸法について
呼吸は、私たちが口や鼻から空気を吸ったり吐いたりすることで息を吸って、吐いてという言い方をします。
生理学的には生体が生命を維持するために必要な酸素を取り入れ、二酸化炭素を排出することですがもう少し詳しく言うと肺の中の血液との酸素と二酸化酸素の交換を肺呼吸、または外呼吸、血液と細胞との交換を細胞呼吸、または内呼吸と言います。
呼吸は単なるガス交換だけではなく古来から私たちの健康と病気について非常に関わりのある行為として注目を集めてきました。中国では古来から吐納法(とのうほう)として長寿や健康のための呼吸法がありました。
現代でも、スポーツや武術、健康法をはじめあらゆる分野で呼吸法が重要視されています。健康法としての呼吸法もさまざまな考え方や流派があります。なぜこれほどまでに呼吸が重要視されるのでしょうか?
それは、呼吸は無意識的にも意識的にも行うことができ、呼吸を意識的にコントロールすることで身体そのもののみならず、運動能力や感情、思考などの心の側面にも影響させることが可能だからだと思います。
しかし、ただ呼吸をすれば何でも良いかといえばそうでもなくやはり呼吸の質というものが大切になります。
では、どんな呼吸が呼吸法として価値があるかというと、それは、意識的にゆっくりと深い呼吸することです。また吸う方よりも吐く方を重要視します。
これは、吐くという行為は、自律神経の副交感神経を刺激し、リラックス状態に導くことができるからです。口から呼吸するのか、鼻でするのか流派によってことなりますが、健康法としての呼吸法は鼻で吸って鼻で吐くほうが良いとされています。
それは、鼻呼吸の吸気は、鼻の粘膜によって外気の温度・湿度を調節し細菌やウィルスのろ過を行い、また呼気は鼻の粘膜に適度な体温・水分の無駄な放散を防ぐからです。ゆっくりした深い呼吸は脳内の神経伝達物質に影響を与えます。
脳の中で感情に関係する神経は、喜びや興奮に反応するドーパミン神経、不安や恐怖心に反応するノルアドレナリン神経、落ち着きを維持するセロトニン神経がありますが、深いゆっくりした呼吸はセロトニン神経を優位にさせドーパミン、ノルアドレナリン神経を適度に押さえる働きがあります。
セロトニン神経は、平常心を養う神経でうつ病にも関連する神経で、意識的にリズミカルな動作、運動をしばらく続けることによって鍛えられます。
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