伝馬町鍼灸院健康通信 不眠症 夜、床に就くのが怖いですか?

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不眠症 夜、床に就くのが怖いですか?

不眠症 夜、床に就くのが怖いですか?

「うちのお母さん、最近、夜寝つきが悪い、悪いって口癖のように言っているんだけど、不眠症になっちゃつたのかなぁ?」

お母さん、寝つきが悪くなってどれぐらい経つのかなぁ?眠ろうとしているんだけど、どうしても眠れないということは誰でも体験したことがあると思うよ。心配事や、試験前などで眠れないなんてよくあるよね。普通は、数日から数週間のうちにまた眠れるようになるんだけど、時には長期にわたり不眠が続き、さらに日中に倦怠感や、意欲低下など日常生活に支障が出てきてしまうことがある。不眠症と診断されるには、長期間(1ヶ月以上)にわたり夜間の不眠が続き、日中に精神や身体の不調を自覚して生活の質が落ちることがみられる場合を不眠症と診断されるよ。日本では、5人に1人がなんらかの不眠を訴えているんだよ。加齢とともにその数は増え、60歳以上の方で約3人に1人が睡眠問題に悩んでいるんだよ。

「ふ~ん、かなりの人が睡眠について何らかのトラブルを抱えているんだね。不眠症にはどんなタイプがあるの?」

君のお母さんは寝つきの悪い『入眠障害』というタイプだね。他には、眠りが浅く何度も途中で目が覚めてしまう『中途覚醒』、早朝に目が覚めてしまう『早朝覚醒』、ある程度眠っていてもしっかり眠れた満足感がない『熟眠障害』があるね。

「睡眠時間と不眠症って関係あるの?」
確かに睡眠時間って個人差が大きいよね。3時間眠ればOKという人もいるし、9~10時間眠っても眠った気がしない人もいるよね。また、健康な人でも、加齢とともに中途覚醒や早期覚醒が増える。でも、不眠症というのは、日中に心身の不調があることが問題なので、眠りが浅く感じていても日常生活に問題を感じなければ不眠症と診断されないんだよ。だから睡眠時間に神経質にこだわらなくてもいいんだよ。
「なるほどねぇ。不眠症の原因になるものってどんなものがあるの?」
不眠症の原因には以下のものがあるよ。1.心理的要因:ストレスや精神的ショック、生活上の不安など。神経質で真面目な人はストレスをより強く感じ、不眠にこだわりやすい。2.身体的要因:高血圧や心臓病、喘息などの呼吸器の病気、関節リウマチなどの痛みなどの病気のために不眠になる。また、睡眠時無呼吸症候群やむずむず脚症候群などで睡眠が妨げられる。3.精神医学的要因:うつ病や神経症、統合失調症などの精神疾患で不眠になる。4.薬や刺激物:降圧剤、甲状腺剤、抗がん剤、ホルモン剤、カフェイン、タバコ、アルコールなど。5.生活リズムの乱れ:交代制勤務や時差など体内リズムが狂う生活をすると不眠を招く。6.環境:騒音、光、室内の温度や湿度などは安眠できない。
「不眠になる原因って結構あるんだね。じゃあ、安眠のコツを教えてよ。」
安眠のコツは以下のものがあるよ。 1.就寝、起床時間を一定にする:睡眠覚醒は体内時計で調整されているので、平日、週末に関わらず、同じ時間に就寝、起床する。2.睡眠時間にこだわらない。睡眠時間の目標を立てない。眠れない時は床から離れる。日中眠気に襲われたら30分以内の昼寝をする。3.太陽の日を浴びる:太陽光などの強い光は、体内時計を調節する働きがある。早朝に日を浴びると夜寝付く時間が早くなり、朝も早く起きられる。4.適度の運動をする:程よい肉体的疲労は心地よい眠りを誘う。激しい運動は刺激がつよく眠れなくなり逆効果。負担にならない程度の有酸素運動を行う。5.自分流のストレス解消を身に着ける:自分にあった趣味をみつけストレスを発散する。寝る前にリラックスする:睡眠前に副交感神経を刺激する、ぬるめのお風呂に入る、好きな音楽や読書などを行う。7.深酒はやめる:深酒をすると寝つきは良くなるように感じますが、深い眠りが減り、早朝覚醒が増える。 8.快適な寝室づくりをする:布団、ベッド、枕、照明、温度、湿度、騒音などに気を配る。

「睡眠薬について、教えてよ。」

睡眠薬を怖い薬と思って、中には使いたがらない人がいるけど、そのような人は、強い副作用で死んでしまうのではないかとか、癖になってすぐ効かなくなるんじゃないか、認知症になるのではないのかなど誤解している面があるね。最近処方されている睡眠薬は大きく分けて2つに分けられるよ。一つは、ベンゾジアゼピン受容体作動薬といって、脳の働きを直接抑えて眠気を引き出す作用がある。催眠作用の他、不安を鎮める抗不安作用、筋肉の緊張を鎮める筋弛緩作用がある。もうひとつは、メラトニン受容体作動薬と言って、メラトニンは『体内時計』に関係する物質で睡眠に適したからだの状態を作り出すことで眠りを誘うんだ。副作用として、薬の効果が起床後にも続き、朝方や、午前中に眠気やだるさが残る『持越し効果』や筋肉が弛緩することで『ふらつき』が出たり、薬を飲んでから眠るまでの間や、夜中に起こされた時にとった行動を思い出せない『記憶障害』が現れることがある。でも、処方された量を守る、自己判断でやめない、飲んだら布団に入る、アルコール飲料と一緒に飲まなければ睡眠薬の服用は安全だよ。ただ、薬局に『睡眠改善薬』というのが売っているよね。あれは、抗ヒスタミン薬で、風邪薬や花粉症の薬に含まれている成分でできていて、アレルギー薬の副作用を利用したものだよ。飲み続けると眠気を誘う作用が弱まってしまうので一時的な不眠の人が使うのはいいけど、不眠症の薬としては適さないよ。覚えておいてね。

今回はこれでおしまい。

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