不眠症は、床に入って眠ろうとしてもなかなか眠れないことによる苦痛があり、そのために「日中の倦怠感」「疲労感」「集中力の低下」などが現れ日常生活に支障がでる状態です。
不眠症になると、高血圧や糖尿病、心筋梗塞などの生活習慣病になる確率が高くなり、またうつ病、認知症になるリスクも高まると言われています。
このページでは、不眠症に関して、ご自身でできる対策についてお伝えします。
1.快眠を促すための考え方のコツ
①不安と上手に付き合う
不安を持つことは自然なことです。不安は、思慮深さや危機管理能力の高さの裏返しだと考え方を変えます。
②ゆったりと夜を過ごす
寝る前にリラックスして過ごすことで脳が眠りを求める状態に導くことができます。
③心配事にこだわりすぎず、折り合いをつける
心配事、不安事はいつまで考えているよりも、「終わったことは仕方がない」「明日 のことはわからない」など成り行きに身を任せます。
④不安がある時は、なかなか眠くならないと考えるようにする
「今夜も眠れないかも」と不安を思わずに、「不安があるから眠れない」と考えましょう。
⑤睡眠はこうあるべきだ、という考えを捨てる
「睡眠は8時間は必要」「夜何時に必ず床に入る」と決めつけはやめましょう。起床時刻は変えず就寝時間は決めずに眠たくなったら寝床に入りましょう。
⑥眠くなるまで寝床に入らない
不眠症の人は、寝床自体が苦しい場所になっているにも関らず、寝床で過ごしている事が多いです。寝床はあくまで寝る場所です。眠くなったら寝床に入りましょう。
⑦眠れないままに寝床で過ごさない
眠れなければ一旦寝床から出て、眠気が訪れるまで待つようにします。寝床で読書したり、スマホを見ていると「寝床で起きているものだ」と条件付けをしてしまうので避けるようにします。
2.生活リズムを整える
生活リズムを整えるには、睡眠時間、食事のあり方に対して見直します。
質の良い睡眠は、睡眠時間の長さよりも、日中しっかり活動できるかがポイントとなります。そのためにも以下のことを意識して生活します。
①朝の光を浴びて体内時計をリセットする
私たちの体には体内時計があり、約25時間のリズムです。体内時計は「光」と連動しています。朝起きたらカーテンを開けて朝の光を浴びましょう。
②日中は体をしっかり動かして体温を上げる。
一日の体温の変化は、目覚めてから少しずつ上昇し、午後がピークとなり夜にちかづくにつれて下がります。体温が下がった時に眠気を生じる為、日中は体を動かして体温を上げる事が大切です。
③三度の食事をきっちり摂る
睡眠と共に生活リズムを整えるために欠かせないのが食事です。三度の食事をできるだけ同じ時間に摂ると生活リズムが整いますし、自律神経も安定します。
朝食は、体を目覚めさせるのに重要な役割を果たします。しっかり食べて1日に活動に備えましょう。朝食を食べる習慣のない人は、まずは果物や飲み物の摂取から始めてみましょう。
また夜にコーヒーなどのカフェインの含まれる飲み物は寝つきを悪くするので、夜飲むのは控えましょう。
④昼寝は、午後3時前までに、20~30分までに留める
睡眠のリズムから午後2時ごろが眠くなります。夕方以降に昼寝をすると夜の睡眠に差支えが出てきます。また昼寝の時間が長いと夜の睡眠の質に影響します。
⑤入浴でリラックスする。
入浴は心身を活動に適した状態から眠りに適した状態に切り替える最適な方法の一つです。
熱いお風呂は交感神経を興奮させ、かえって寝つきを悪くしてしまいます。40℃前後のぬるめのお湯でゆっくりつかると副交感神経が刺激されリラックスできます。
寝る直前に入浴すると、体温が下がりにくいため、床につく2~3時間前に入ることで、寝つきが良くなります。
⑥睡眠環境を整える。
環境も睡眠に影響を与えます。以下のことを意識しましょう。
*自分に合った寝具を選ぶ。
*カーテンで光の浴び方を調節する。
*寝る前は悩みを手放しリラックスする。
*床に就くのは眠くなってから。
*寝酒は控える。
3.ストレス対策を行う
ストレスやうつ・不安が長期間続くと、めまいが起こりやすくなります。
ストレスやうつ・不安は自律神経のバランスを乱し、各器官への血流に影響を与え、充分な栄養や酸素が行き届かず、その器官の働きに異常が起こります。
趣味を楽しんだり、友人と会話を楽しんだり、おいしい物を食べたり、音楽を聴くなど自分なりのストレス解消法を見つけましょう。
ストレス対策には、ストレス管理をご参考にしてください。
④睡眠日誌をつける
睡眠日誌は、毎日の自分の睡眠を記録することで睡眠について理解が深まります。
記録するのは、床に入った時刻と眠りについた時刻、目を覚ました時刻、眠りの状態、昼寝や居眠りをした時刻を書き込みます。日常の行動についても簡単に記録しておきます。
5.適度な運動を行う
まとめ
このページでは、不眠症に対策についてお話しました。
不眠症の方の中には、眠れない不安があるにもかかわらず寝る前に同じ行動をしていることが多くみられます。少し考え方をかえてみるのも安眠への一つの対策になります。
基本的には、日常生活リズムを整える、食事に気を付ける、運動を続けてみる、環境を変えてみる、ストレス対策をする、睡眠日誌をつけるなど日常生活にちょっとした変化をつけることが大切です。
日常生活に変化をつけてもなかなか不眠症が改善されない場合は、マッサージ、整体、鍼灸施術など体をケアする専門家にご相談、施術を受けるのも一つの解決策です。
当院では、「冷え」を体調不良の根本的な原因として捉え、「冷え」を改善することで自律神経の乱れが改善す施術を行っています。
この記事の執筆者のプロフィール
伝馬町鍼灸院 院長 川添登
昭和37年、10月5日生まれ。製薬会社の営業職に勤務していた頃、ストレスから軽い精神的な病にかかり、指圧や鍼灸施術を受け西洋医学とは違った角度からみる東洋医学に興味を持ち、27歳の時に鍼灸の専門学校に通う。
3年間の学習を終え、平成5年にはり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師の国家資格を取得後、豊川で開業しながら様々な技法を学ぶ。
平成16年に現在の豊橋に引越しをして、皆様の健康の回復、維持、増進のお手伝いをしている。
家族:妻と娘の3人暮らし
趣味:読書・気功体操・自然歩道散策・魚釣り
好きな言葉:継続は力なり
お電話ありがとうございます、
伝馬町鍼灸院でございます。