冷え症(冷え性) 対策:背中・腹呼吸法
呼吸は、古来から健康法や武術などに取り入れられ意識的に深いゆっくりとした呼吸を行えば、身体のみならず心にも影響します。
肺には筋肉がないので呼吸はからだの筋肉が使われます。主要な筋肉は肋骨にある肋間筋、横隔膜、腹筋でその補助筋として背中や腰の筋肉が使われます。
呼吸の仕方には、胸式呼吸、腹式呼吸、逆腹式呼吸の3つがあります。
胸式呼吸は、胸を意識する呼吸で息を吸うと胸が膨らみ、吐くと元に戻ります。使われる筋肉は、吸う時には外肋間筋、横隔膜で吐く時には肋骨の弾力、内肋間筋です。
腹式呼吸は、お腹を意識する呼吸で、息を吸うとお腹が膨らみ吐くと元に戻ります。使われる筋肉は、吸う時には横隔膜、吐く時には肋骨の弾力、腹筋(強く吐く時)です。
逆腹式呼吸は耳慣れない言葉ですが太極拳など武術で使われる型に従った呼吸の仕方で拳勢呼吸とも呼ばれています。
これは、胸とお腹の境目(肋骨のちょうど下際を結んだ線でお腹をへこますと一番くびれる部分)を意識する呼吸で、息を吸うと胸が膨らみ、吐くと肋骨の下端が収縮し、下腹は膨らんだように見えます。
使われる筋肉は吸う時には、外肋間筋、横隔膜で吐く時には内肋間筋と腹筋です。3つの呼吸の仕方に共通している筋肉は横隔膜です。横隔膜は私たちのお腹の空間(腹腔)と胸の空間(胸腔)とを境にする筋肉の膜で息を吸う時には必ず緊張し肺を広げ腹腔にある内蔵を押し下げます。
なぜ呼吸について詳しく説明したかといいますとこれからお話する呼吸法は、「意識的に深く、ゆっくりと、リズミカルで筋肉もしっかり使い、鼻で呼吸する方法」だからです。それでは、その呼吸法をお話します。
1.椅子に座ります。
2.両手の親指を肋骨の下端を結んだ線で一番くびれる所に線に沿って置き、人差し指から小指までそろえ両方の中指を恥骨の上際に起きます。
3.意識的に呼吸をするために吐く方を先に行います。鼻から息を吐きながら両手の親指とその他の4本の指で囲まれた部分から息が抜けるようなイメージで膨らませながら背筋を軽く伸ばします。
4.吐ききったら今度は5秒かけて鼻から息を吸います。その時に両親指の辺りをへこませながら背中の肩甲骨の間辺りを広げるようにしてそこから空気を体に吸い込むイメージをします。
5.5秒後声帯を閉じないように自然に息を止めます。
6.10秒もしくは15秒かけて息を吐きます。この時に3で行ったように両手の親指とその他の4本の指で囲まれた部分から息が出てゆくようなイメージを持って背筋を軽く伸ばします。
7.これを1サイクルとして最低3分間以上行います。この方法は逆腹式呼吸を応用したセロトニンと筋肉に効率良く働きかける冷え症のための呼吸法です。
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