当院のパニック障害のアプローチ

当院のパニック障害のアプローチ

1.施術前後に体温測定をして身体の冷えと熱の状態を調べます

当院では、施術前後にわき腹、額、両手、両足の体温を測定します。これは、施術でどのぐらい熱の産生と偏りの変化が起こり、体の冷えが対処されたのかを知る目安としているからです。

 

パニック障害のお客様の体温を測定すると頭の体温と、足の体温の差が2℃以上ある事があります。これは、熱が頭の方に偏っている状態です。

 

この理由は今の所、2つあります。

頭の中で常にネガティブなことを考えている

パニック障害の方は、安心して生活している時間よりも、また発作がでるのではないか、出たらどうしょうなど、どうやったら発作が出ないようにできるかなど、不安や心配の方を強く抱いて生活している時間の方が圧倒的に方が多いです。

 

このように、パニック発作を回避するための方策を常に頭で考えているために脳に熱が発生、集中しやすくなり、額の体温が手足よりも温かくなります。

「今、ここ 」に存在することに「恐れ」がある

不安や心配をし続けているとその感情は恐怖に代わります。私たちは、恐怖を感じた時に何をするかというと、大抵そこから逃げようとします。

 

私達は、災害などでは必死に逃げなければなりませんが、日常生活ではそんな場面に出くわすことはめったにありません。

 

でも、ストレスのかかる状態のときには、その場から身体ごと逃げるというよりも、私達の生命エネルギーを後ろ、上に持ち上げます。

 

これは、身体的には大地とつながっているようには見えますが、生命エネルギー的には、今、ここに存在することを恐れ、地に足のついていない状態です。

 

この状態が続くと頭部に熱を持ちやすくなります。パニック障害の方は肩こり、首コリ、頭痛などの症状も伴いますが、これは生命エネルギー(気)を上背部、首、頭上げた状態が続いているからだと思われます。

頭部に熱がこもるとどうなるか?

東洋医学では「頭寒足熱」といって頭よりも足の方が温かい状態が健康とされています。

 

頭部に熱が上がった状態は、簡単に言えば、オーバーヒートの状態で、いわば過熱状態。機械が過熱状態にあれば、誤作動を起こすように、私達の脳も誤作動を起こしやすくなります。

 

体温の調節は、自律神経の中枢である、視床下部で行っていて、過熱状態は、視床下部の働きに影響します。

頭部に過熱状態が続くとどうなるか?

頭部に過熱状態が続くと今度は、神経伝達物質に影響が及びます。

 

脳に、扁桃体という部分があります。ここは情動に関して学習、記憶しておく場所です。ここが過剰に興奮します。その興奮は青斑核に伝わります。

 

青斑核は、神経を興奮させる神経伝達物質であるノルアドレナリンを放出します。

 

頭部の過熱状態は、神経伝達物質の放出にも誤動作が起こり、ノルアドレナリンが多量に放出されます。

 

ノルアドレナリンは、視床下部を刺激するだけではなく、大脳皮質まで影響を及ぼします。

 

大脳皮質は、記憶装置があり、過去のネガティブな出来事の記憶が保存されています。その記憶がよみがえりやすくなります。その記憶がさらに恐怖心をあおるように扁桃体を過剰に刺激します。

 

こうして扁桃体⇒青斑核⇒視床下部⇒視床⇒大脳皮質⇒扁桃体というループ(環)が出来上がります。

 

こうしてパニック発作いつでてもおかしくない状態が作られます。

 

心の安定、平常心を保つ神経伝達物質が脳内にあります。それが、セロトニンです。

 

セロトニンは、ノルアドレナリンをコントロールする神経伝達物質ではありますが、ノルアドレナリンの放出が多いためにコントロールできない状態になります。

脳の働き

2.お灸で「冷え」を対処する施術を行う

当院では、お灸施術を行っております。生命エネルギー(気)を「熱」をおきかえているお話をしました。「熱」に相反するものは「冷え」です。

 

「冷え」を対処するには、それに相反する「熱」を加えることが理にかなっていると思い、現在お灸施術のみで行っています。

3.施術中、できるだけ対話をする

当院では、施術中、できるだけ対話をするように心がけています。

 

その理由は、お客様のお話しすることにより、身体のケアだけはなく、精神のケアもした方が、より早く回復に向かうからです。

4.セルフケアをお伝えする

パニック障害に関わらず、施術を受けるだけでは、改善、回復は望まれません。そもそも、日常生活習慣がパニック障害を起こす土台を築き上げています。

 

できる範囲でセルフケアを行って、少しずつ日常生活に良い習慣を取り入れていただきます。

5.小さな成功体験を積む

日常生活で症状がでない状態が続いいたら、少し勇気をもって行動をしてもらいます。行動を起こさない限り改善、回復は望めません。

 

パニック障害の方は、広場恐怖症で、実際やってみてできそうなことも、頭の中だけで心配していまい、行動を起こすことができず、その繰り返しで行動範囲が狭くなってしまいます。

 

体、心が落ち着ている状態であれば、過去に息苦しく感じたレベルで、発作出なかった場所、状況を試してもらい、小さな成功体験を積んでもらいます。

6.徐々にパニック発作を起こした経験を再体験する

小さな成功体験を積み上げることに、自分に自信を取り戻しところで、パニック発作を起こしたことのある状況にチャレンジしてもらいます。

 

それができるようになれば、パニック障害から回復できたと言えます。

伝馬町鍼灸院