当院のお灸施術について 10.お灸施術の手順とその目的・根拠 その2

(7)お腹(中脘)のお灸施術

お腹(中脘)のお灸施術

最初にお臍とみぞおちのほぼ中間あたりにある中脘へお灸を施します。

 

目的

気の通り道である経絡の流れは中脘から始まり、中脘に終わるといわれます(依拠:図解十四経発揮 本間祥白 医道の日本社)。経絡は全身を巡っていますので、中脘にお灸施術をすることで全身に働きかけることができます(太極へのアプローチ)。

 

 

(8)腹部の触診

腹部の触診

腹部を五行(5つのカテゴリー)にわけ、さらに圧痛の出やすい場所(番号のある所)を術者の指で軽く押し、どこが一番圧痛が強いか確認します。

 

目的

中脘へお灸を施した結果、最初に現れる「積聚」がどこにあるのか確認します。この時点での圧痛はまだ「積」と「聚」が混合しています。

(9)足三里へのお灸施術

足三里へのお灸施術

足三里の左右を触診し、反応の大きい方を選んでお灸施術をします。

根拠・依拠

足三里は足の陽明胃経の経穴の一つで、胃経は五行で言えば土であり、また経穴の性質からいっても土になります。また五蔵の栄養は、みな胃の府の水穀の精気によって賄われているため、胃は五蔵の根本であるといわれています(依拠:現代意訳 黄帝内経素問 東洋学術出版社 玉機真蔵論篇)。

目的

足三里にお灸施術をすることで五臓全体に働きかけることになります(五蔵へのアプローチ)。

五蔵に全体に働きかけることで陽の気である「聚」と陰の気である「積」を分離します。

(10)腹部の触診

腹部の触診

足三里にお灸を施したのち、再度圧痛の位置を確認します。この時の圧痛は、足三里へお灸を施した結果、陰陽の入り混じった「積聚」うち、陽の気である「聚」が取り除かれ、陰の気である「積」の位置が決まり、背中へのお灸施術部位が決まります。例えば上の図では、お臍の上にあたり(7番)の「脾」の部分に「積」があります。

根拠

足三里のお灸により、陰の気を持つ五蔵が強化され、表面にある陽の気の「聚」が消失し、五蔵のうちどの蔵に「積」があるのかが確認できます。

目的

足三里へのお灸施術の結果「積」をあぶり出し、背中でのお灸施術の部位を決める。

 

 

伝馬町鍼灸院