8.なぜお腹を1番重要な指標にするのか?
お腹は身体の中心であり、また変化の現れやすい場所です。
腹診は、中国が大元ですが、日本に伝来して以来、日本人が発展させたといわれています。
中国伝統医学の古典の書物である難経の十六難と五十五難に、腹部について書かれている箇所があります。
難経十六難では、上記の図のように五蔵と病の関係を、お臍を中心として配当しています。
難経五十五難では、腹部の異常を「積聚(しゃくじゅ)」という言葉で説明しています。
積聚について
積聚は、お腹の異常のことです。積聚は、以下のような特徴があります。
①腹部の異常には、積と聚の2種類ある
②積と聚はいずれも「気」でできている
③「気」には陰陽があり、積を陰の気、聚を陽の気とする
④積は深い所にあり判断が容易だが、聚は浅い所にあり移動しやすく判断しにくい
東洋医学では、易経に基づいて、すべては太極に基づいているという思想から、一部分が全体を表しているとみなします。
腹部の状態は全身の状態を現わしていると捉え、腹部にある異常が体全身の異常を現わしていると考えます。
施術の効果を確認する場所は様々ありますが、身体全体にどれだけ影響を与えたかをチェックすることのできる指標として腹部が1番変化しやすく、わかりやすい理由から腹診を最重要視しています。
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