低体温の要因
低体温の要因には、以下のものがあります。
1.日常生活リズムの乱れ
私たちの体には、朝は起床して、昼間は活動して、夜は睡眠をとるという自然なリズムが備わっています。これをサーカディアンリズム(概日リズム)と言い、体内時計とも言われます。
サーカディアンリズムは、ホルモンの分泌や自律神経のバランス、そして体温と深く結びついています。
私たちの体温は、朝起きた時が最も低く、夕方にかけて上昇し、就寝前には徐々に下がります。
個人差はありますが、一日の体温差はおおよそ1℃以内と言われています。
夜中遅くまで起きていたり、朝もダラダラと寝ているとこのリズムが乱れホルモン分泌、や自律神経のバランスに悪影響を及ぼし、低体温につながります。
2.ストレス
ストレスには、気温、気圧、湿度また天災等の外的ストレスと、病気が治らない、人間関係等の内的ストレスがあります。
ストレスは、私たちの自律神経に影響を与えます。
私たちはストレスを感じると、交感神経が刺激され、ノルアドレナリンやアドレナリンを血液中に放出します。
ノルアドレナリンやアドレナリンは、血管を収縮させる作用がありそのために体の細胞へ酸素や栄養が行き渡らない状態に陥り、細胞は熱を作り出すことができずに低体温になります。
3.運動不足
私たちの生活は便利になるにつれ、体を動かす機会をだんだんと失っています。人間は本来動物ですから、動かなけれは生命を維持できません。
体を動かす機会を失った分だけ、私たちは筋肉を使わなくなりました。
筋肉は、体の中で熱を作り出す最大の器官です。筋肉を弛緩、収縮させることで血液や体液が循環し、各細胞へ熱を送り酸素や栄養分を与え、細胞に溜まった老廃物を除去します。
運動をすることで、筋肉を刺激し、筋肉量が増すことで熱の生産が促されます。
運動不足は、筋肉の刺激が少なくなり、筋肉量も減少し、熱の生産力が低下します。そのために体に適した体温が保てなくなります。
4.食事の過不足
体の熱を産生するためには、食事が大切なことは言うまでもありません。
食事について、ただ闇雲に食べ物を口に入れればよいというものではありません。
食べ方も大切です。早食いは消化不良を起こし、血液が消化器に集中し、末端が冷えます。
食べる量に関して、食べ過ぎは早食いと同じように、消化不良のため、血液が消化器に集中し、末端が冷えます。
食べる量が少ないと体に必要な栄養素が足りず、熱の産生の効率が落ちます。
食べ物の温度も大切です。温度の低い院食物は、胃を冷やし、消化の働きが低下し栄養の消化吸収が低下します。
また冷たい飲食持つは体の熱を奪います。
食材選びも大切です。食材には、陰性の食材、陽性の食材があります。それを無視して食べていると体が冷えます。
食べるタイミングも大切です。時間の乱れた食生活は自律神経のバランスを乱します。
5.エアコン
エアコンは、私たちの日常生活には必需品となりました。
夏の暑い日は、デスクワークをしている人にとって屋内で一日中エアコンの効いて部屋にいることで体は冷やされ続け、熱の奪えわれる環境に浸りっぱなしです。
エアコンの普及で、夏も汗をかく習慣がなくなってしまいました。
夏に汗をかき、その気化熱で体を冷やすことは自然な事なのですが、その機能自体が働かなくなることは、体に熱がこもりやすくなり、熱の産生と放散のバランスをくずし、また体を冷やすという悪循環にはまります。
6.シャワー
昔は銭湯へ行き、湯船にゆったりとつかり一日の疲れを癒していましたが、現在は家にお風呂があるのが当たり前の時代です。
特に若い人に多いのですが、湯船につからず毎日シャワーで済ます人が多くなりました。
当院でもお風呂についての問診で湯船に浸からず、シャワーで済ませている人が少なからずおります。
シャワーでは、体に熱を外側から取り入れることが少なく、出た後はむしろ皮膚から熱を外気温に奪われるため、体を冷やしてしまいます。
7.薬剤
日本人は薬を好む人種です。
日本人の薬剤消費額は世界の平均の約8倍だそうです。
当院に来られる患者さんでも、様々な薬を服用されています。
薬のほとんどが、化学薬品です。化学薬品は体を冷やす作用があります。
代表的な薬剤は、抗炎症剤として使用される副腎皮質ステロイドホルモンです。
副腎皮質ステロイドホルモンは、血液を凝固させる働きがあり、血液の流れが阻害されるために体が冷えます。
8.裸足でいること
冬でも家にいる時には、裸足で生活している方が多くいます。
足の末端は体の中で心臓から1番遠く、しかも血管が細く筋肉も薄いため熱を作りにくい、伝えにくい部分です。
裸足でいると、足の裏から体の熱が奪われるだけではなく地面からの冷えが体に侵入して、体を冷やします。
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伝馬町鍼灸院でございます。