自律神経失調症の治療(自律神経失調症と更年期障害との違い)

治療

自律神経の治療には大きく分けると、薬物療法、心理療法、理学療法、生活指導に分けられます。

薬物療法

自律神経失調症に用いられる薬は以下のものがあります。

 

1抗不安薬:不安や緊張を和らげるために使われます。リラックス効果が期待できるが眠気やふらつきなどの副作用を伴うものが少なくありません。

 

2.自律神経調整薬・自律神経抹消作用薬:自律神経の中枢に作用して、交感神経と副交感神経にバランスをととのえるもの。種類が少なくまた劇的な効果は望めません。

 

3.抗うつ薬:病的なうつ状態を改善するための薬です。本来はうつ病に用いられる薬ですが、抑うつ感覚を持つ方に使用されます。

 

4.睡眠導入剤:寝つきが悪い、熟睡ができないなど睡眠障害を訴える方に使用されます。

 

5.漢方薬:特定の症状だけではなく、全身状態に適合したものを組み合わせて自然治癒力を高める目的で使用されます。

 

6.その他:ホルモンのバランスを整える目的のビタミンE剤、疲労を回復させる目的でビタミンB1剤が使われたりします。

心理療法

自律神経失調症には、ストレスなど精神的な問題が隠されていることが多いです。そこで、不安や緊張を解消し心のバランスを整える目的で行われるのが心理療法です。

 

心理療法には、以下のものがあります。

 

1.カウンセリング:患者さんと会話をしながら、症状の背後にある精神的問題を探り、不安や緊張の解消を図ります。

 

2.認知行動療法:物事の受け止め方を正したり、その人の行動パターンを変えたりして、不安や緊張を緩和します。

 

3.交流分析:性格のひずみを知って、人との交流の円滑化を図ります。

 

4.自律訓練法、筋弛緩法、バイオフィードバック法、断食法:体を意識的にコントロールして、心や体をリラックスさせます。

 

5.家族療法:家族関係に問題がある場合、家族との面接によってその歪みを正します。

 

6.内観法・森田療法:過去から現在までの自分について考えたり、あるがままの自分を受け入れたりして、自分の価値を再認識してゆきます。

理学療法

理学療法は、筋肉や神経の緊張をほぐすことで身体症状を緩和させる目的で行われます。理学療法には以下の喪があります。

 

1鍼灸:鍼は体の表面にある反応点であるツボに鍼先を接触または、刺入することで身体に刺激を与えて、身体機能のひずみを調整するものです。また、灸は、もぐさを用いて、ツボに温熱刺激を与えて身体機能のひずみを調整するもです。

 

2.指圧:体のツボを手もしくは足の指で、ツボを刺激して、筋肉をほぐし血行を良くする目的で行われます。

 

3.マッサージ:手指、手のひらで皮膚、筋肉を刺激して血液やリンパの流れをよくする目的で行われます。

 

4.整体・カイロプラクティック:背骨や骨盤をなどの骨格の歪みをを整える目的で行われます。

 

5.器具を使うもの:温熱、温浴、光線、電気療法など、遠赤外線、高周波の短波、超短波・マイクロ波や低周波の電気など、器具を使って患部を温めたり刺激したりします。

生活指導

私たちの日常生活は、睡眠・食事・労働・休養・運動・人間関係・ストレスの対処の7つの要素で成り立っています。これらをバランスよく維持してゆくことが自律神経を乱さないことにつながります。

 

それぞれの要素を一つ一つ見てゆきましょう。

 

1.睡眠:早寝、早起きする。

 

2.食生活:1日3食規則的に食べる。栄養バランスを考える

 

3.労働:ダラダラと仕事をするのではなく、集中する時は集中する。適度な休憩を入れる

 

4.休養:趣味に没頭する、買い物をする、温泉に行く、お風呂に入る

 

5.運動:ウォーキング、太極拳など体を動かす

 

6.人間関係:自分を知り、相手を理解する

 

7.ストレス対処:ストレスに強くなる、上手に対処する

伝馬町鍼灸院