自律神経失調症(自律神経失調症と更年期の違い)

自律神経失調症と更年期障害との違い

自律神経失調症と更年期障害のそれぞれの原因、症状、治療を説明しました。今度はそれぞれの原因、症状、治療に違いについてみてゆきましょう。

 

原因の観点から

一般的な自律神経失調症の原因は、ストレス、不規則な生活習慣、環境の変化、体質、性格です。

 

一方、更年期障害では加齢による性ホルモンの減少、性格的な心理的因子(性格)、仕事や家族関係(ストレス)などに起因する社会的因子が関与します。

 

自律神経失調症と更年期障害の原因での大きな違いは、自律神経失調症は、加齢による性ホルモンは関与していません。

 

更年期障害はあくまで、性ホルモンの減少が原因で起こりますので、自律神経失調症のような様々な症状が出ているときに、血液検査の結果、性ホルモンが減少していれば、自律神経失調症とはいわず、更年期障害と診断されます。

 

 

 

症状の観点から

自律神経失調症の症状は大きく分けると全身的な症状、体の部分に現れる症状、精神的に現れる症状に分けられます。

 

一方、更年期障害の症状も、全身的な症状、体の部分に現れる症状、精神的に現れる症状に分けられます。

 

症状に関しては、ほとんど違いはありません。

 

これは、自律神経のコントロールセンターは、脳にある視床下部という所にあるのですが、ここはまたホルモンのコントロールセンターでもあります。

 

ですから、自律神経のコントロールセンターの乱れが、ホルモンのコントロールセンターに影響を及ぼし、また逆にホルモンのコントロールセンターが自律神経のコントロールセンターに影響を及ぼすために、自律神経失調症も更年期障害も同じような症状が現れやすくなります。

 

 

治療の観点から

自律神経失調症の治療も更年期障害も薬物療法が中心です。

 

自律神経失調症には、抗不安薬、自律神経調整薬、抗うつ薬、睡眠導入剤、漢方薬などが使われます。

 

更年期障害では、ホルモン補充として性ホルモンが投与されます。その他は自律神経失調症と同じです。

 

更年期の方の様々な症状は、自律神経失調症が原因なのか、更年期障害が原因なのかわからないことが多いです。

 

更年期障害が原因で様々な症状が現れる場合、ホルモン療法として性ホルモンを投与されれば、症状は改善されますが、自律神経失調症の場合、性ホルモンを投与しても症状は変わりません。

 

薬物療法以外では、自律神経失調症も、更年期障害も心理療法、理学療法、生活指導は同じです。

伝馬町鍼灸院