お灸はなぜ効くの?

お灸はなぜ効くの?

お灸は、人類が火をコントロールできる時代から現在まで数百万年前から体に良い良い影響を与えることから、ある種の病に効果的に作用することがわかり、今日まで面々と伝承されてました。鍼施術と同様に、現在様々な角度から科学的な研究が盛んに行われていますが、未だに明確な答えは見出されていません。

 

ただいくつかの学説がありますのでここにご紹介します。

 

 

 

 

(1)ヘッド氏帯説

ヘッド氏帯とは、内臓に問題が生じると、その内臓と同じ神経支配の領域の皮膚に何らかの異常がみられることから、内臓と同じ神経を支配する皮膚領域を皮膚分節(デルマトーム)といって1889年にヘッド氏が確証したのでそう呼ばれています。

 

ヘッド氏帯に現れた知覚異常に対してお灸などの刺激を与えれば、問題のある内臓になんらかの影響をことができるというものです。

 

内臓から皮膚に何らの刺激の反応が現れる場合を内臓体性反射、反対に皮膚から内臓に何らかの刺激の反応が現れる場合を体性内臓反射といいます。

 

(2)蛋白体療法説

お灸による火傷はその部分の組織を熱で変性させます。これがヒストトキシンが産生され、これにより、免疫が刺激され免疫力が高まるという説です。

 

(3)刺激療法説

お灸の熱刺激は、皮膚の知覚神経を刺激して、抹消神経を介して中枢神経である脊髄や脳に伝達され、脊髄や脳からの指令に対して刺激に対する処置として体に良い影響を与える説です。

(4)対内分泌療法説

お灸の熱刺激が、その皮膚の部分に炎症物質を作り出し、その炎症物質が血液を含む体液に流れ、内分泌機能に影響を与え、様々なホルモンが血流に乗り、体のバランスを整えるであろうとする説です。

(5)非特異ストレス療法説

ハンスセリエのストレス学説から、お灸による皮膚への刺激がストレスッサーの1つとして作用し、脳下垂体ー副腎皮質系に働きかけ、副腎皮質ホルモンが増え、これが身体に良い影響を与える説です。

(6)対自律神経学説

お灸の熱が、皮膚にある温覚や痛覚、侵害受容器を刺激して知覚神経を介して脳にある自律神経の中枢である視床下部に到達して、視床下部から自律神経を介して内臓や血管に影響を及ぼす学説です。

伝馬町鍼灸院