慢性便秘の治療

慢性便秘の治療

慢性便秘の治療は主に薬物療法です。

①緩下剤

緩下剤は、便の中の水分量を増やし、便を柔らかくして腸管内の通過時間を短くして便をスムーズに排泄する作用があります。酸化マグネシウムなどの塩類下剤がこの緩下剤に含まれます。

②膨張性下剤

膨張性下剤は、服用した後に、腸管内にとどまり、便の量を増やすして、さらに便の中の水分量を増加させる作用があります。

 

そのため、便の量が増え、直腸での排便反射が起こりやすくなり、また便が柔らかくなり、便が出やすくなります。

③大腸刺激性下剤

薬

大腸刺激性下剤は、薬局でも買えるもので、大腸の筋肉にある神経に作用して、腸管の蠕動運動そのもの収縮を促し、腸管の通過時間を早めて排便させる作用があります。

 

作用が強いため、間違った使い方をすると下痢をしたり腹痛を起こします。

 

長期にわたり常用すると、効果が薄れてくることや、大腸メラノーシスといって大腸がんのリスクを高める可能性があることが指摘されています。

 

できるだけ困った時にどうしてもという時に使用することが望ましいです。

④漢方薬

漢方薬

大建中湯や潤腸湯などが使用されます。

 

大建中湯は、血流を良くしてお腹を温め、胃腸の働きをよくすることで便秘を改善します。体力がなく、お腹が冷えて痛む、腹部膨満感があり、「大横」を含む薬では強すぎる方に向いています。

 

潤腸湯は、腸を刺激して蠕動運動を活発にする大横や、腸を潤す「地黄」や「当帰」、血行をよくする「桃仁」などが配合されており、固い便が出る場合や高齢者に使われます。

⑤プロバイオティクス

腸内細菌

プロバイオティクスは、ラクトバチルス菌などの腸内細菌製剤といわれ、腸内の細菌叢に働きかけて、腸内での産生物質を増やしたり、免疫系や内分泌系に働きかけることで、腸管を通る時間や便の形状に影響を与えたり、排便困難を減少させたりします。

⑥浣腸、坐薬

浣腸や坐薬は、グリセリンや薬用石鹼を使い、肛門から直腸を直接刺激して、排便の効果を高めるものです。効果は即効性があります。

 

坐薬は、直腸内でガスを産生させ、直腸の壁を引き伸ばすことで排便反射が起こります。その作用は、浣腸と比べると穏やかです。

伝馬町鍼灸院