冷え症(冷え性) 東洋的な観方によるタイプ
東洋医学といいますと、広い意味では、トルコより東のインドやチベット、中国、日本、韓国、北朝鮮、モンゴル、南アジアのインドネシアあたりで行われている伝統医学のことをさしますがここでは、狭い意味での中国伝統医学や現代中医学、日本の伝統医学からの観点でお話します。
中国伝統医学や中医学、日本の伝統医学は、気の概念と陰陽五行論という中国哲学、思想を基礎として成り立っています。これらについては機会があればまたお話したいと思います。
東洋医学の健康観には広い意味での万物生成の根元的エネルギーである精気、狭い意味での人間の免疫力、抵抗力に関係する正気が重要なキーワードになります。
私たちが健康であるためには正気の充実が大切で、そのためには「気」「血」「津液(しんえき:水分)」や「五臓六腑」、「陰陽」「表裏寒熱」のバランスがとれていることが条件となります。
冷え症について気、血、水(津液)の観点からお話します。
気の観点から:
気というのは目には見えないけれど働きのあるもので人間の生命エネルギーと密接な関係があります。気の不足、すなわち体のエネルギーの不足は、体を温める熱を産出する力が少なく寒さに対しての抵抗力がないため冷え症が起きます。これは、生まれつきの体質もありますがストレス、食事の不摂生、運動不足による新陳代謝の低下によっても起きます。
それから気が滞るタイプ。気が上半身の方に上がってしまい、足が冷えることもあり、いわゆる冷えのぼせと言われる状態になります。
血の観点から:
まずは血を運ぶ器が弱いタイプ。これは西洋医学でいわれる貧血のようなもの。次に血を運ぶ力がないタイプ。これは西洋医学で言われる低血圧で血を運ぶポンプが弱いようなもの。
れから血を運ぶ力や器がしっかりしていても流れの悪いタイプ。これは、西洋医学ではホルモンバランスや自律神経失調のようなタイプで動脈硬化も関係しています。ちなみに東洋医学では血が滞ることを瘀血(おけつ)と言います。
水(津液)の観点から:
水分の取りすぎ、水分代謝の異常により血の流れが悪くなっているタイプ。体に余分な水分が滞りそれが冷えを作り出しています。
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