こんにちは。豊橋市の伝馬町鍼灸院 院長の川添です。
日本人の便秘を自覚している人は、全国で470万人、26人に1人の割合です。
日常生活を送るうえで、いろいろ試してみてるけどなかなかすっきりしない、ということありませんか?
このページでは、誰でもすぐにできる30項目にわたる便秘対策をお伝えします。
日頃からこれは実践しているけれど、これは実践していないものがあれば試してみて下さい。
この中で一つでも対策が見つかれば幸いです。
1.朝、決まった時間に起床して生活リズムを作りましょう
自律神経を整えるには、一日の生活リズムを作ることが大切です。朝、決まった時間に起床することで、一日の生活リズムを作ることができます。
2.朝日を浴びましょう(雨の日でも構いません。まずは外の光を浴びましょう)
朝の光は、脳の覚醒を促すだけではなく、私たちの体内時計をリセットさせる働きがあります。
体内時計は、日中は活動し、夜は休息するというリズムを作っています。体内時計は、血圧、体温、ホルモン分泌、自律神経の調節など司っています。
腸の消化・吸収・排便のリズムも、体内時計にコントロールされています。
また朝、光を浴びることで、日中は活動しやすく、夜はしっかり睡眠がとれるようになります。
3.朝、起きたらコップ1杯の水(常温かもしくはぬるめの白湯)を飲みましょう。
朝目覚めた時は、副交感神経が優位になっていて、副交感神経が優位の時に腸の蠕動運動が活発になります。
起床後のコップ一杯の水を飲むことは、睡眠中に失った水分を補給するだけではなく、「胃・大腸(結腸)反射」を促します。
「胃・大腸(結腸)反射」は、胃に飲食物が入ると、その刺激により大腸の蠕動運動が起こり、便をS字結腸から直腸へと送り出す反射で、便を出しやすくします。
4.朝食は必ず摂りましょう
朝食は、3の「胃・大腸(結腸)反射」を促すだけではなく、「直腸・結腸反射」を促します。
「直腸・結腸反射」は、便が直腸に到達するとその刺激を受けて、結腸がより蠕動運動を強め、便を直腸に送り出す働きが高まります。
直腸に便が溜まると脳に命令が送られ、排便の準備を行います。また、食物は便の量を増やします。便の量を増やすことで排便しやすくなります。
5.朝食後は、便意がなくても便座にすわる習慣を身につけましょう。
便意があってトイレに行くことは大変良い事ですが便秘の場合、便意がなくてもトイレに行きましょう。
朝は、副交感神経優位から交感神経優位に切り替わる時間帯ですが排便には、タイミングの良い時間帯です。
便意がなくても5分ぐらい便座に座り続ける行動をすることによって「便が出る」ことを脳に刺激を与える事ができます。この時は、いきむ必要はありません。
6.便座では、背筋を伸ばし前かがみの姿勢をとりましょう
昔は和式のトイレで、前かがみの姿勢をとるのが当たり前でしたが、現在では、洋式のトイレがほとんどです。
便座にただ座っているのではなく、排便を促す姿勢を意識しましょう
。便座に座ったらまず背筋を伸ばします。背筋を伸ばすことで、骨盤を安定させます。背筋を伸ばした状態から上体を30~45度ぐらい前に倒します。
上体を前かがみすることで、直腸と肛門との角度(肛門角)が広がり排便がしやすくなります。
7.日中も水分をこまめに摂るように心がけましょう
便秘は、大腸で便が硬くなることで起こりますので、その改善には、充分な水分の摂取が必要です。水分摂取の目安は、一日に体重×0.04ℓで計算します。たとえば、体重が50Kgですと、
50×0.04ℓ=2ℓとなります。無理しない程度にこまめに摂取しましょう。
ただし、カフェインやアルコールは利尿作用があるのでお勧めできません。市販の水でよいでしょう。
8.食事は、朝、昼、晩の3食をほぼ同じ時間帯にきちんと食べましょう
自律神経を整えるには、リズムが大事です。食事を同じ時間帯に摂ることは腸のリズムを作ることにもなります。
朝は、水分を多めに、昼は食物繊維を多く含んだボリュームのある食事を、夕食は、朝・昼食で足りないものを補うような食事を心がけましょう。
9.1週間に4回、30分程度の運動をしましょう
運動は胃腸の活動を高めてくれます。
お勧めは、インターバル速歩です。これは、早歩きとゆっくり歩きを交互に、ある一定の時間繰り返すウォーキングです。
また、室内では、回転のスワイショウ、立禅がお勧めです。
10.腹式呼吸を1日、5分3回行いましょう
腹式呼吸は、内臓の機能を高め、副交感神経の働きを高めてくれます。当院がお勧めする腹式呼吸法は、鼻から3秒吸って、2秒止めて、鼻から10秒かけて吐くやり方です。時計の秒針をみながら簡単にできます。
11.夕食は、就寝3時間前に終わらせましょう
食事中は、交感神経が高くなり、その後で、消化のため副交感神経が高まります。
食べてすぐ寝ると副交感神経の働きが不十分になります。また、睡眠中にモチリンというホルモンが分泌されます。
モチリンは、腸内の内容物を自動的に肛門に送り出す働きがあり、胃腸が空にならないと働きませんので、夕食は就寝前の3時間前には終わらせましょう。
12.ややぬるめのお風呂(40℃ぐらい)に15分ぐらい浸かりましょう
ややぬるめのお風呂につかることで副交感神経が高まります。
また、寝る1時間前に入ると寝つきも良くなります。
13.遅くても12時前までに就寝しましょう
副交感神経の働きは、夜12時以降に活動のピークになります。夜更かしをせずに12時には眠っている状態を作りましょう
14.食物繊維は、不溶性食物繊維2に対して水溶性食物繊維を1の割合で摂取しましましょう
食物繊維は、①タンパク質②炭水化物③脂肪④ビタミン⑤ミネラルに次いで第6番目の栄養素とも呼ばれています。
食物繊維は腸内で消化酵素によって吸収されず、便の量を増やすには必要な食物です。食物繊維には、水溶性の食物繊維と不溶性の食物繊維があります。
水溶性食物繊維は、水分保持力が強く腸内では、便に水分を保ってくれます。腸内の善玉菌を増やす働きがあったり、脂肪の吸収を抑えたり、血糖値をゆっくり上昇させたり、ナトリウムの排泄を促し血圧の上昇を抑える働きがあります。
水溶性食物繊維が多く含まれる食材は、こんにゃく、オクラ、ヤマイモ、ゴボウ、納豆、海藻類、明日葉、ユリ根、アボガドなどです。
不溶性食物繊維は、水分によって便の量が増え蠕動運動を促し、排便がスムーズになります。不溶性食物繊維を多く含む食材は、インゲン豆、ひよこ豆、おから、あずき、エリンギ、エノキ、切り干し大根、アーモンド、干し柿、小麦ふすまなどです。
15.オリーブオイル(エキストラバージンオイル)を摂取しましょう
オリーブオイルには、オレイン酸が含まれ、一時的に多く摂ると腸管から吸収されずに腸管内に残り、腸管をゆっくり刺激して、大腸では、老廃物と混じり便を滑らかにして排便を促します。料理に使用したり、サラダにかけたり、スプーン1杯を直接摂取しても良いでしょう。
16.乳酸菌を積極的に摂りましょう
乳酸菌は、腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整えは排便を促してくれる代表各です。
乳酸菌の含まれる食材は発酵食品です。その代表格はヨーグルトです。乳酸菌は、動物由来と植物由来のものがあります。
動物由来と植物由来との大きな違いは、植物由来は大腸まで生きて届きます。
植物由来の乳酸菌を含む食材は、みそ、漬物、キムチ、マッコリ、納豆などです。
17.下剤の常習には注意しましょう
下剤には、便を柔らかくするタイプと、大腸を刺激して腸を動かすタイプがあります。便を柔らかくするタイプとして酸化マグネシウムがあります。
酸化マグネシウムは、大腸が水分を吸収するのを防ぐため、腸の水分が多くなり、便が柔らかくなります。
センナ、大黄、アロエ、キダチアロエを含む下剤、サプリメント、健康茶は、毎日摂り続けると大腸が黒くなり、大腸メラノーシス(大腸黒皮症)になります。
アントラキノン系の薬剤を長期連用すること黒い色素が腸管神経叢に沈着し、腸の働きが低下し自然な排便が損なわれます。
18.排便日記をつけましょう。
排便日記をつけることで、ご自身の体調管理になります。
排便日記には、薬の服用時間、便の固さ(形状)、色、量、日時、場所を始め、紙でお尻を拭いた回数、食べた内容などを記入することで、便についての意識の他、健康のバロメーターとなります。
19.便意を我慢しないようにしましょう
便意を我慢することは、せっかく便が直腸まで降りてきたのに、無理やり体内にとどめる事になり、不自然な行為です。我慢の回数が増えると自然の便意が起こりにくくなります。
20.体を冷やさないように注意しましょう
冷えは、末梢の血管を収縮させ、交感神経が優位に働き、腸の活動が低下します。
体を冷えから守るようにしましょう。
21.腹筋を鍛えましょう
蠕動運動には、腹筋が大きく関わっています。腹筋が弱くなると蠕動運動が弱くなるので、腹筋を鍛えるようにしましょう。
22.マグネシウムの多い食材を摂りましょう
マグネシウムは、大腸の水分吸収を抑える働きがあり、便に水分を多くします。マグネシウムを含んだ食材には、ひじき、焼きのり、黄粉、昆布、わかめ(生)、玄米、落花生、あさり(生)、大麦、納豆、牡蠣、ほうれん草、カツオなどです。
マグネシウムは、甘い物の食べ過ぎや、運動などによる発汗、ストレスで消費されます。
腎障害があると、腎臓でのマグネシウムの排泄がうまくできないこともあり、血中マグネシウムの濃度が上昇することがありますので、年に2回、血中マグネシウム濃度やクレアチニン値を調べることが大切です。
23.グルタミンを摂取しましょう
グルタミン(グルタミン酸とは違います)は、小腸のリンパ球のはたらきを 活性化させ、腸管免疫を高めます。
腸管免疫は、体に良くない物質が吸収されないように腸が体から身を守る免疫のことです。またグルタミンは大腸の粘膜で2番目(1番目は酪酸)に重要なエネルギー源になります。
グルタミンを含む食材は、生魚(刺身)、生肉(タルタルステーキ)、生卵、発芽大麦などの生のたんぱく質に多く含まれます。40℃以上の熱が加わると変性するため、生か生に近い状態で摂取します。
24.植物性乳酸菌(プロバイオティクス)を摂取しましょう
植物性乳酸菌(プロバイオティクス)は、大腸まで生きて届き、善玉菌を増やし免疫力を高めます。植物性乳酸菌の一種のラブレ菌は下痢にも有効です。植物性乳酸菌をおおく含む食材は、みそ、ぬか漬け、塩麹、キムチなどです。
25.オリゴ糖(プレバイオティクス)を摂りましょう
プレバイオティクスは、人の消化酵素には分解されず、大腸まで届き、善玉菌を増やします。サトウキビ、ビート(てんさい)、大豆、アスパラ、キャベツ、ゴボウ、ニンニク、バナナ、黄粉、はちみつなどです。
26.腸を冷やさないように注意しましょう
腸を冷やすことで大腸の働きが低下します。腸を温めるには、シナモン、ジンジャー(生姜)を温かい紅茶に入れて飲むと良いでしょう。
27.ビタミンCを摂取しましょう
ビタミンCは、善玉菌のえさになり、善玉菌を増やします。ビタミンCの大量摂取は、結石ができやすく腎臓に問題のある方は注意が必要です。
28.外気温と室内の温度差が10℃以上ある時は気をつけましょう
気温差が10℃以上あると、寒さのために自律神経の機能がついてゆかず、腸の働きが停滞してしまします。服装や食べ物で腸のケアをしましょう。
29.座りっぱなしの姿勢を長時間取らないようにしましょう
座りっぱなしの姿勢は、運動不足、姿勢の乱れによって血行不良が起こり、腸の動きが悪くなります。また、お腹がすかないので、食事の量も減りがちです。
30.腹部をマッサージしましょう
腹部のマッサージは、腸の働きを良くします。やり方は、身体の左半身を上にして横向きで寝ます(左半身を上にするとガスが抜けやすくなります)。円を描くようにお臍を中心として時計回りにお腹をマッサージします。深呼吸をしながら約5分行います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
慢性便秘は、1つ、2つのことを続けていも良くならないことが多いこと、また個人差があり自分で試してみて初めて自分に合った対策が見つかります。
また、体調によっては今まで便秘を改善していた対策が、役に立たなくこともあります。
便秘日誌をつけ、何を試してどうだったかを記録しておくと、それを振り返ることで慢性便秘が改善する場合があります。
楽しみながら根気よく続けてゆきましょう。
いろいろ試してみたけれど、なかなか改善しない場合は、マッサージ師、整体師、鍼灸師などのヘルスケアの専門の方の施術をうけることも一つの方策です。
当院では、冷えを根本的な原因としてとらえ、鍼灸で体を温め慢性便秘を改善する施術を行っております。
豊橋市のエリアにお住まいの方で、鍼灸施術を受けてみたい方はお試し下さい。
この記事の執筆者のプロフィール
伝馬町鍼灸院 院長 川添登
昭和37年、10月5日生まれ。製薬会社の営業職に勤務していた頃、ストレスから軽い精神的な病にかかり、指圧や鍼灸施術を受け西洋医学とは違った角度からみる東洋医学に興味を持ち、27歳の時に鍼灸の専門学校に通う。
3年間の学習を終え、平成5年にはり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師の国家資格を取得後、豊川で開業しながら様々な技法を学ぶ。
平成16年に現在の豊橋に引越しをして、皆様の健康の回復、維持、増進のお手伝いをしている。
家族:妻と娘の3人暮らし
趣味:読書・気功体操・自然歩道散策・魚釣り
好きな言葉:継続は力なり
お電話ありがとうございます、
伝馬町鍼灸院でございます。