information

お問い合わせボタン
HOME > 伝馬町鍼灸院健康通信 > 繰り返し起こる胃潰瘍

繰り返し起こる胃潰瘍

前回は、医療機関で詳しい検査をしても、特に異常がないのに胃の不快感が続く機能性ディスペプシア(機能性胃腸症)についてお話したよね。今回は、胃潰瘍のお話をしようと思うんだ。

「胃潰瘍って日本人に多いんだってね。胃潰瘍って簡単にどんな病気なの?」

胃潰瘍は、十二指腸潰瘍とともに消化性潰瘍と呼ばれ、胃液に含まれる胃酸やペプシン(たんぱく質を分解する酵素)によって胃の壁がただれくずれる病気なんだ。以前は、男性に多い病気だったけど、最近では、更年期の50代の女性に多く見られ、若い人の発症率も高くなっているんだよ。

「胃潰瘍ってどうして起きるの?」

食べ物を消化する胃液を攻撃因子、胃液から胃を守る粘膜を保護する粘液、アルカリ性物質(重炭酸)、粘膜を健全に保つ血液を防御因子と言って、攻撃因子と防御因子のバランスが崩れた時に起こると考えられているんだよ。

「じゃあ、どんな時に攻撃因子と防御因子のバランスが崩れるの?」

まずは、イライラ、過労、睡眠不足、緊張、不安などの肉体的・精神的ストレス。刺激の強い香辛料や、熱すぎたり冷たすぎる飲食物を摂取し続ける、痛み止めやステロイドなどの薬を長期的に服用、喫煙、飲酒、コーヒーのがぶ飲み、暴飲暴食、早食いなど不規則な食生活などバランスが崩れるんだよ。

「どんな症状がでるの?」

1番多いのは、みぞおちあたりの腹痛。それから、吐き気、嘔吐、食欲不振、体重減少。便に血が混じる時は、どす黒い便(タール便)がでる、背中の痛み、口臭、酸っぱいゲップ、胸やけなどが症状として出るね。

「治療はどんなものがあるの?」

内科的、外科的治療があるよ。内科的治療には、薬物治療と内視鏡的治療がある。薬物療法には、胃酸の分泌を抑える薬、胃の粘膜を保護する薬、胃の運動の働きを改善する薬を服用する。胃の粘膜に出血がみられる場合、内視鏡を口から胃の中に入れ、出血部を特殊なクリップで留め、出血を抑える治療が内視鏡的治療。

内科的治療を行っても出血が止まらない場合は、開腹手術や腹腔鏡手術が行われるよ。 これらの治療で胃潰瘍が治ればいいけど、繰り返し起こる場合は、ピロリ菌を除去する必要があるね。

「ピロリ菌?」

そう、ピロリ菌は胃の中に住みつく細菌で、正式名を『ヘリコバクター・ピロリ』と言うんだよ。日本人の約半数がピロリ菌に感染していて、その大部分は50歳以上の人たちで、衛生状態が良くない時代に感染したと考えられているよ。

「ピロリ菌は胃の中でどうやって住み着いているの?」

ピロリ菌は、胃液から胃を守る粘膜の表面にある粘液の中に住み着いてアルカリ性のアンモニアをつくり身にまとうことで、強い酸性の胃酸から身を守っているんだ。ピロリ菌が作り出すアンモニアや毒素によって、胃の粘膜の表面の細胞が破壊され続け、また粘膜の修復力が弱まると粘膜に穴があき胃潰瘍になるんだ。

「じゃあ、繰り返し起こる胃潰瘍の場合、ピロリ菌に感染しているかどうか調べないといけないね。」

そうだね。ピロリ菌に感染しているかどうか調べる検査には一般検査と内視鏡検査があるよ。一般検査には『尿素呼気試験』『便中抗原検査』『抗体検査』がある。尿素呼気試験では、尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解するピロリ菌の性質を利用して吐く息の二酸化炭素を調べる。

便中抗原検査は、便の中にピロリ菌が含まれているか調べる検査。抗体検査はピロリ菌に感染することで作られる抗体の有無を血液や尿を調べて判定する検査だよ。空腹時にみぞおちに痛みがあり、めまいやふらつきなどの貧血症状、吐血や黒い便が出るような人は内視鏡検査に加え、ピロリ菌の検査をお勧めするね。

「ピロリ菌の感染がわかったらどうするの?」

ピロリ菌の感染がわかったら、2種類の抗菌薬と、胃酸の分泌を抑える『プロトンポンプ阻害薬』を使った除菌が行われるよ。これらの薬を1日2回、7日間服用し、除菌する(一次除菌)。一次除菌から約2か月後に再び検査し、まだピロリ菌に感染しているかどうか調べる。

8割ぐらいの人が除菌に成功するけど失敗した場合は、別の抗菌剤とプロトンポンプ阻害薬を服用し、約か月後に再検査を行う。9割ほどの人が除菌に成功する。副作用として、最も多いのは、軟便や下痢で味覚障害が出ることもある。

重篤なアレルギー症状や血便を伴う出血性大腸炎が起きた時は、治療は中止される。除菌に成功した人は、再びピロリ菌に感染することはなく、胃潰瘍の再発予防になるので、胃潰瘍が繰り返し起こる人は、まずはピロリ菌の検査を受けて欲しいなぁ。

今回はこれで、おしまい。



お問い合わせについて

電話番号 (0532)63-6093
お問い合わせをお待ちしております。 →メールでのお問い合わせ


▲ページトップに戻る