動悸、息苦しい、不眠  60代 女性 主婦  

来院

2024年 11月

症状

動悸・息苦しい・不眠・鬱っぽい

他県に住む、娘の家族の孫に頻繁に会うために7月に仕事を辞めた。娘の主人が海外勤務が決り、来年の4月から家族ともども海外に最低5年移住することになった。

2か月前あたりから、孫に会えなくなると思いからか、動悸が出始め、息苦しくなり、食欲も落ち、うっぽくなり夜も眠れなくなってきた。

心療内科を受診する予定ではあるが、姉が当院を受診していたこともあり、姉の紹介で予約を入れた。

施術内容

臍上1cmあたりに圧痛

仰向けで脈拍と腋窩、腹部(中脘)、頭部(印堂)、手(合谷)、足(太衝)の体温を測定し、中脘にお灸を据え、腹部の圧痛を確認し、さらに右足三里にお灸を据え、再び腹部の圧痛を確認したところ臍の上1cmあたりに圧痛が見られ、脾積と決めた。

背中に純金でツボの反応を調べている所

伏臥位で腹部の圧痛の部分に関連した部位から、純金の刺ささらない鍼でいくつかをツボで刺激して、1番の圧痛点を探し印をつけ背中での診断点として定めた、その後圧痛のある側の天宗にお灸を据えた。

背中にお灸をしている所です

再度、刺さらない純金の鍼で、圧痛点のあるツボの変化を確認し、1番圧痛のあるツボを選び、そこへお灸を据えた。

腹診

その後、再び仰臥位になっていただき、手足の冷え感を確認した後、腹部の圧痛の位置を確認し、その経絡に関連する部位から反応のあるツボを選択し、お灸を施した。再度腹部の圧痛を確認したあと、体温を測定し、座位で左肩にお灸を据えて施術を終了した。

使用経穴

中脘、右足三里、左天宗、6,7椎間の左5mmあたりの反応点、左三陰交、神闕、右手三里、左肩井

施術経過

2診目(初診より6日目):1回目の施術でめまいが少し軽く感じられた。前ほどではないが朝起きると動悸がする。夜中に2~3回起きるがすぐ寝れる。日中は落ち着いている感じがある。脾積で対応。

3診目(初診より12日目):動悸が最初を10とすると5ぐらいまでに減った。日常生活は普通に過ごせる。Nクリニックで漢方薬を処方してもらい、それを服用した。脾積で対応。

4診目(初診より18日目):動悸ないが天気によってどんよりした感じがある。背中がつった感じがある。心積で対応。

5診目(初診より32日目):気持ちはまだどんよりしているが、動悸はなくなり身体的にはほとんどよくなった。自分を客観的に観ることができるようになった。

 

 

考察

院長の顔写真

仕事を辞めて、好きなお孫さんの所に遊びに行けると思っていた矢先に娘さん家族が海外に移住することになり、あてがはずれたとの同時にこれから会えなくなるという思いが強く意識されたことが原因で動悸が出てきたとも思われる。

まだ発症してそれほど時間も経過していないこと、身体的な病気がなかったこと、漢方薬の効き目が功を奏し、相乗的に良い方向に進み早い段階で動悸が解消された。

 

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