50代 男性 機能性ディスペプシアとうつ病 

来院

再来院 2023年 5月

症状

機能性ディスペプシア、うつ病

2017年ごろから時々、食欲がなく、吐き気、腹部が張った感じがありその頃は自然に治った。が2019年の12月に常に症状を感じるようになり、当院に来院。その時は4回のお灸施術でほぼ症状が消失した。

しかし、2023年、同じような症状に加え、だるさが続いているため、当院に再来院した。現在は会社に行けているが、心療内科でうつ症状と診断され、抗うつ薬を服用している。

施術内容

おへそからすぐ下あたりにある圧痛

仰向けでおへそとみそ落ちの真ん中あたりのツボ(中脘)にお灸を施術後、圧痛のある左足三里にお灸を施術した後、腹部の圧痛、張りの部位を確認したことろお臍からみぞすぐ下あたりの所に圧痛が診られ、脾積とした。

背中にお灸施術を行っているところです

伏臥位で腹部の圧痛の部分に関連した部位のいくつかを金の刺さない鍼で、1番の圧痛点を探し、印をつけ、圧痛のある側の天宗にお灸を施術した。再度、金の刺さない鍼で、1番圧痛のある所を選び、そこへお灸を施術した。

腹診

再度仰臥位になり、腹部の圧痛の変化を確認し、足のツボに棒灸を施術した。その後、左右の手三里の圧痛がある左側にお灸を施術して、再度腹部の圧痛の変化を確認し、お臍に棒灸を施術した。

わき腹、腹部、頭部、両手、両足の体温を測定して、施術前後の体温の変化を確認した後で、座位になり、肩にお灸を5回行って施術を終了した。

 

1回目の施術前と施術後の体温(℃)

腹部 頭部 左手 右手 左足 右足
施術前 36.7 36.9 36.9 36.6 35.7 35.7 35.9
施術後 36.9 36.9 37.0 36.5 36.6 36.9 36.2

使用経穴

中脘、L足三里、L天宗、R膈関、B湧泉、L手三里、神闕  R=右 L=左 B=両側

2診目(初診より3日目):食べたい感じがない、体がだるい

4診目(初診より23日目):吐き気はなくなる、だるさは少し取れる、肩こり、首コリを感じる

6診目(初診より30日目):吐き気はなく、無理しない程度に食べれる、だるさはまだ感じる

9診目(初診より41日目):胃の調子は8割ぐらい良くなったが、だるさはまだ感じる。手のひら、足の裏に汗をかく

11診目(初診より65日目):胃の調子は9割ぐらい良くなった。だるさも8割よくなった

16診目(初診より103日目):胃の調子が良くなり、だるさもよくなったが、首や肩のあたりが気になり始める

19診目(初診より131日目):胃の調子は良好。だるさもとれてきた。首や肩、背中は少し気になる程度になった。手足に汗はかかなくなった。

22診目(初診より184日目):胃の調子は良好、だるさも良くなった。首、肩は気にならないが右目がやや開きにくい。施術はここまででいったん終了

 

22診目の施術前後の体温(℃)

腹部 頭部 左手 右手 左足 右足
施術前 36.5 36.1 36.7 36.0 36.1 36.1 36.0
施術後 36.4 36.4 36.7 36.4 36.6 36.3 36.3

考察

院長の顔写真

当院に最初に来院されたのが2019年の12月で、その頃は、食欲不振、吐き気、腹部の張り、熱感があり機能性ディスペプシアの診断のみで4回のお灸施術で症状は回復したが、今回はうつ病を併発して再来院となったケースである。

施術のベースはあくまで、そのお客様の体調不良の原因は東洋医学で言われる「精気の虚」であり、これはいわば「生命力の低下」であり「冷え」ある。

そのため、基本的な施術はお客様の「生命力に低下」に対してお灸の熱気(陽の力)を利用してお客様の生命エネルギー(熱気)を賦活させる目的が中心となる。

そのため症状が複数あっても同じ施術で対処できる。

今回はうつ病を併発しているものの、会社で仕事できているとのことなので、生命力の低下はそれほど強くなく、定期的に受診していただいたため、回復に至った。

見立てとしては、第1優先的な指標である腹部の圧痛は「脾積」であった。「脾積」は主に消化系統で、機能性ディスペプシアやうつ病に多いパターンであった。

 

文責 伝馬町鍼灸院 川添登

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