こんにちは。豊橋市の伝馬町鍼灸院 院長の川添です。
お仕事や、友人とお酒を飲む機会が多くあったり、仕事を終え家でお酒を飲む習慣があり、わかってはいるけれど、毎日飲んだり、深酒をしてしまうということ、ありませんか?
今回はアルコールと自律神経のお話です。
お酒は、「百薬の長」と言われるように、健康に良いとされていますが、これは適量のお話で、大量飲酒は、肝臓をはじめ、膵臓、喉、食道など癌の要因になり、大抵は悪いイメージが多いですね。
口に入ったお酒の中にあるアルコールは、そのほとんどが胃や小腸で吸収され、肝臓へ運ばれます。肝臓は、アルコールを無毒化する働きがあり、一生懸命無毒化しようと働きます。
アルコールが大量に体に入ってくると、肝臓はアルコールを処理しきれなく、アルコールはそのまま血液中に残ります。血液中にあるアルコールは心臓を介して、全身を巡ります。
私たちは「酔う」体験をするのは、血液中のアルコールが脳に運ばれ、脳細胞を麻痺させるからと言われています。
脳には、有害物質が脳に入らないようにブロックする仕組みがありますが、アルコールはその関門をなんなくスルーすることができ、脳細胞にアルコールが行き渡り始めます。
脳では、まずは脳の一番外側の大脳皮質という所から麻痺してゆきます。理性が緩み、その時に、愉快な気分が味わえます。この時は、交感神経の緊張がゆるみ、副交感神経が優位になります。
しかし、血液中のアルコール濃度が高くなるにつれ、間脳や脳幹といった生命にかかわる部分がアルコールが染みわたり、ほろ酔いから酩酊、泥酔、昏睡の状態へと移行し自律神経も完全麻痺してます。
アルコールは自律神経の中枢でもある視床下部にも当然影響を与えます。間脳にある視床下部は、内分泌器官へ影響を与えるホルモンの分泌に影響も与えます。
特に副腎皮質刺激ホルモンに影響を与え、副腎にある副腎皮質からコルチゾールというホルモンを放出します。コルチゾールはこうストレスホルモンと呼ばれ、交感神経を刺激して緊張状態を作り出します。これが自律神経を乱します。
また、アルコールは脳だけではなく、あらゆるからだの細胞に浸透し、その器官や臓器に影響を与えるだけではなく、自律神経も細胞から成り立っていますから指令塔だけではなく臓器や器官に伝える経路まで麻痺してしまいます。
さらに、アルコールを分解する途中でできるアセトアルデヒドも問題です。
アセトアルデヒドは、肝臓がアルコールを分解する際に作られる中間代謝産物で、毒性があります。アルコールを飲んで動悸や顔が赤くなるのは、アルコールだけではなくアセトアルデヒドが交感神経を刺激するために起こります。
アルコールを大量に飲み、これが体内で処理しきれていないと二日酔いを起こします。
深酒をすると、翌日に、頭痛や吐き気、のどの渇きなど不快な症状を味わうことになります。これは、交感神経が優位な状態です。
お酒も、健康に関しては、両刃の剣です。自己責任において上手に飲めたらいいですね。
この記事の執筆者のプロフィール
伝馬町鍼灸院 院長 川添登
昭和37年、10月5日生まれ。製薬会社の営業職に勤務していた頃、ストレスから軽い精神的な病にかかり、指圧や鍼灸施術を受け西洋医学とは違った角度からみる東洋医学に興味を持ち、27歳の時に鍼灸の専門学校に通う。
3年間の学習を終え、平成5年にはり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師の国家資格を取得後、豊川で開業しながら様々な技法を学ぶ。
平成16年に現在の豊橋に引越しをして、皆様の健康の回復、維持、増進のお手伝いをしている。
家族:妻と娘の3人暮らし
趣味:読書・気功体操・自然歩道散策・魚釣り
好きな言葉:継続は力なり
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