線維筋痛症様の全身の痛み  30代 女性 主婦

来院

2021年 6月

症状

繊維筋痛症の痛み

2021年の2月流産を経験。その時に子宮収縮剤を使用した。その後、生理になると太もものあたりに痛みが出るようになり、生理が終わっても痛みが引かなくなった。

その後、痛みが全身に広がるようになりS脳神経外科で診察を受ける。とりあえず、薬で痛みを抑えようと薬を処方されるも、再び強い痛みが出てきた。

S神経外科で詳しい検査が必要と言われ、市民病院で検査を受ける。異常は見つからないが、繊維筋痛症かもと言われる。

痛みは時間関係なく現れ、症状が段々と強く感じられるようになる。ウォーキングなど軽めの運動するとやや痛みが落ち着く。

このような痛みは初めてで不安になり、ネットで当院を知り、施術を受けることにした。

施術内容

臍左斜め上下5cmあたりに圧痛

仰向けで脈拍と腋窩、腹部(中脘)、頭部(印堂)、手(合谷)、足(太衝)の体温を測定し、中脘にお灸を据え、腹部の圧痛の位置を確認し、さらに左足三里にお灸を据え、再び腹部の圧痛の位置を確認したところ臍から左斜め上5cmあたりに圧痛が見られ、肝癪と決めた。

背中に純金でツボの反応を調べている所です

伏臥位で腹部の圧痛の位置に関連した部位から、純金の刺さらない鍼でいくつかをツボで刺激して、1番の圧痛点を探し印をつけ背中での診断点として定めた。その後左右の天宗を示指で押し、圧痛のある側の天宗にお灸を据えた。

背中にお灸をしている所です

再度、純金の刺さらない鍼で、圧痛点のあるツボの変化を確認し、1番圧痛のあるツボを選び、そこへお灸を据えた。

お客様と私

再度仰臥位になり、腹部の圧痛の変化を確認し、それに関連する経絡上にあるツボにお灸を行った。その後、左右の手三里の圧痛がある側にお灸をして、再度腹部の圧痛の変化を確認し、腹部の一番不快なツボへお灸を据えた。

わき腹、腹部、頭部、両手、両足の体温を測定して、施術前後の体温の変化を確認した後で、座位になり、肩にお灸を5回据えて施術を終了した。

使用経穴

中脘、左足三里、左天宗、左腎兪、右陰谷、左手三里、右肩井 左天枢

施術経過

2診目(初診から4日目):脾積。痛みは和らいでいるが、突然痛みが出る。朝起きると痛みが強く感じられる。生理は不順な感じ。

3診目(初診から10日目):脾積。両ふくらはぎに痛みがでる。左足小指にしびれ、立っている時に、尾てい骨、お尻の奥に痛みがある。

4診目(初診から13日目):脾積。胃がむかついたり痛く感じる。左足内くるぶし、指全体、右膝後の痛みがでる。

5診目(初診から20日目):脾積。日によって痛みの個所、質、強度が違う。左足ふくらはぎのあたりが痛い。

6診目(初診から27日目):脾積。痛みに対して気にならなくなってきた。2~3回ふくらはぎの痛みを感じる程度だった。痛み止めの薬を少し減らしている。

7診目(初診から34日目):脾積。脾積。強い痛みはなく、弱い痛みを感じるが数秒から数分でおさまる。両大腿、お尻、両腕に弱い痛みを感じる。

8診目(初診から45日目):脾積。ほとんど痛みを感じなくなった。気持ちも落ち着いてきた。

9診目(初診から58日目):脾積。痛みが出てきているが薬は飲まない程度。

11診目(初診から60日目):脾積。痛みは治まってきた。薬も飲んでいない。

13診目(初診から87日目):腎積。痛みが出そうな気配はあるが痛みはない。

14診目(初診から98日目):腎積。強い痛みを感じた。特に、両大腿、ふくらはぎに感じた。

16診目(初診から125日目):脾積。ウォーキングを50分行ったが大丈夫だった。

18回目(初診から153日目):脾積。気持ちも落ち着いてきた。

19回目(初診から182日目):脾積。痛みは治まっている

症状が治まっている以降も1か月に1回、定期的にお灸施術を受けていただき、痛みの管理をし続けている。

考察

院長の顔写真

繊維筋痛症と確定的な診断はないものの、流産を経験し、医師と手術の雑な扱いを受け、精神的な落ち込みもあり、心に医療に対し、不信な思いがあり、痛みがより一層感じられたケーズかと思われます。

定期的に通院することで多少痛みの部位、質、程度に変化があるものの、ご自身でもセルフケアに心がけ、徐々に痛みが減少するにつれ精神的にも落ち着つき、1か月に1回のメンテナンスに切り替えました。

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