伝馬町鍼灸院健康通信 自律神経失調症 原因について

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自律神経失調症 原因について

「前回は、神経系についてのお話しだったね。おさらいしてみると、神経系には大きく分けて脳と脊髄からなる中枢神経と、脳と脊髄からでる末梢神経の2つに分けられ、そして自律神経は、末梢神経に含まれ、自分の意志とは無関係に臓器や器官を微調整してくれる神経で、活動する時に働く交感神経と、休む時に働く副交感神経があり、同じ器官に対して相反する働きで体のバランスを保っているんだったね。でも交感神経と副交感神経のバランスを乱す原因は何なの?」

原因のトップは、ストレスだよ。今回はストレスについてお話ししようね。自律神経失調症は主に心理的な負担と不規則な生活習慣が互いに影響しあって起こるんだよ。心理的な負担は、心のストレスに、不規則な生活習慣は身体にストレスとなるんだ。その他原因には、性格や体質も影響するよ。

「よく、ストレス、ストレスと言われるけれど、ストレスっていったい何なの?」

それにはまず、ストレス源(ストレッサー)とストレスの違いをお話ししようね。ストレス源とは、心と体にストレスを感じさせる人間の内部・外部からの刺激のことで、ストレスとは、ストレス源によって影響された心と体の状態のことだよ。本来、ストレス源とストレスは違うものなんだけど現在はストレス源もストレスとしてとらえているようだね。

「本来は、ストレスとストレス源は違うものなんだ。」
そうだよ。ストレスの度合いは個人の考え方や性格、家庭・社会環境などで異なり、同じストレス源でもある人にはストレスになるし、ある人にはストレスにならないことってよくあるよね。自律神経機能のバランスが崩れる時は、ストレス源によって生み出されたストレスの度合いがその人の許容範囲を超え、うまく適応できない時に起こるんだよ。
「ストレスを感じるストレス源にはどんなものがあるの?」
それには以下のものがあるよ。
自然環境のストレス源:暑さ、寒さなどの気温の変化、低気圧・高気圧、空気汚染、公害、花粉、ほこり、騒音など。
日常生活関連のストレス源:睡眠不足、睡眠過剰、夜更かし、過食、偏食、過剰な運動、運動不足、喫煙など。
社会生活関連のストレス源:長距離通勤、渋滞、満員電車、多忙、疲労、長時間勤務、休日出勤など。
健康関連のストレス源:慢性的な持病、けが、病気による健康喪失、妊娠、出産など。
心理的なストレス源:将来に対する不安、現状への不満、家族や社会への怒り、恐怖、挫折、失望、失敗、裏切りなど。
恋愛関連のストレス源:浮気、心変わり、ストーカー、不倫、失恋、嫉妬、喧嘩、三角関係など。
家庭関連のストレス源:結婚、離婚、別居、同居、引っ越し、出産、育児、子供の反抗期、子供の独立、死別、家計のやりくりなど。
人間関係のストレス源:上司、部下、友人、恋人、親子、嫁姑、夫婦、親戚、隣人との付き合い、トラブルなど。
会社関連のストレス源:左遷、転勤、昇格、社内移動、仕事の失敗、失業、転職、多忙、単身赴任、退職など。
学校関連のストレス源:成績不振、いじめ、クラス替え、転校、入学、卒業、受験、退学、PTAの役員会など。
「同じストレス源なのにストレスを感じるのには、個人差があるのはどうしてなの?

それは、その人の性格や体質が大きく関わっているからだよ。ストレス源に弱い性格パターンには、以下のものがあるよ。
感情抑圧型:頼まれると「ノー」と言えない、いやなことがあっても言葉や態度で表現できないタイプ。真面目で仕事熱心だけど、決まったパターンを好み、めったなことで脱線しない。感情を発散することが苦手。
感情未分化型:自分の感情を把握しきれないで、イライラしてしまうタイプ。他人の心を思いやるのも苦手。情緒が不安定なため、対人関係でトラブルを起こしやすい。環境の変化に対する適切な感情の認知や表現ができない。

身体感覚抑圧型:体をコントロールしがちなタイプ。忙しいのを理由に空腹を我慢したり、便意を無視するなど生理的欲求を長い間押さえていると体はだんだんと情報を発信しなくなる。また、生理的欲求や身体感覚を表現することをはしたないと教え込まれている。

また、几帳面、真面目、完全主義、神経質、些細なことにこだわる、他人の目や評価が気になる、気持ちの切り替えがヘタ、いつまでもくよくよ悩む人や、常に誰かに依存する相手を求める依存型、幼児期に愛情を注がれずに育って大人になっても他人とも信頼関係を結べない愛情飢餓型、外からの権威を基準にして肩書にこだわる権威型の人もストレス源に弱いと言えるよ。その他、自律神経失調症になる原因の一つに、生まれつき自律神経失調症になりやすい体質もあるよね。たとえば、乳児期によく泣いたり、すぐ吐いたり、下痢する、幼児期によく熱や乗り物に酔いやすい、環境が変わると眠れない、思春期に立ちくらみ、動悸、冷え症、太れない、疲れやすい人やまた両親のいずれかにこのような体質があると自律神経失調症になりやすいね。

今回はこれでおしまい。

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