過敏性腸症候群による下痢 20代 男 性 会社員

来院

2022年 4月

症状

過敏性腸症候群 腹痛・下痢

高校3年生の時、目指していた大学受験のために塾に入った。その時に強いプレッシャーを感じ、それ以来、緊張するとお腹が痛くなり下痢をするようになった。今年大学を卒業し、就職したが、朝の通勤途中で腹痛が起こりコンビニでトイレに行くことがしばしばある。特に寝不足やストレスを感じた時に下痢になりやすい。普段は薬を飲んで対処しているが、できるだけ薬を飲まずに良くなりたいと思っていたところ、叔父が鍼灸院でお灸施術を受けており、紹介してもらい、通うことになった。

施術内容

お臍より左側2cmに圧痛

仰向けで脈拍と腋窩、腹部(中脘)、頭部(印堂)、手(合谷)、足(太衝)の体温を測定し、中脘に9壮お灸を据え、腹部の圧痛の位置を確認し、次に右足三里にお灸9壮据え、再び腹部の圧痛の位置を確認したところお臍左2cmあたりに圧痛が見られ、脾積と決めた。

背中にお灸施術を行っているところです

伏臥位で腹部の圧痛の位置に関連した部位から、純金の刺さらない鍼でいくつかのツボを刺激して、1番圧痛を感じるツボを探し、印をつけ背中での診断点として定めた、その後左右の天宗を示指で押し、圧痛のある側の天宗にお灸を9壮据えた。

背中にお灸をしているところです

再度、純金の刺さらない鍼で1番感じる圧痛点を選び、そこへお灸を9壮据えた。

手三里にお灸施術

再度仰臥位になり、腹部の圧痛の変化を確認し圧痛の位置を定め、それに関連する経絡上にあるツボにお灸を行った。その後、左右の手三里の圧痛がある側にお灸をして、再度腹部の圧痛の位置を確認し、腹部の一番不快なツボへお灸を9壮据えた。

わき腹、腹部、頭部、両手、両足の体温を測定して、施術前後の体温の変化を確認した後で、座位になり、肩にお灸を5壮据えて施術を終了した。

使用経穴

中脘、R足三里、L天宗、R膏肓、R合谷、右手三里、左天枢

施術経過

2診目’:(初診より4日目):仕事で緊張した時に若干腹痛が出る。肺積で施術した。

3診目(初診より8目):出勤の車の運転中、仕事中に緊張した時に若干出る。脾積で施術した。

4診目(初診より13日目):イリボーを飲まずに出勤でき仕事ができている。脾積で施術した。

5診目(初診より20日目):イリボーを予防的に服用することはあったが腹痛、下痢はなかった。イリボーを飲まない日の方が多かった。腎積で施術した。

7診目(初診より47日目):出勤は良好。腹痛がなく、下痢もない。イリボーも服用していない。ラーメンやカフェラテを飲食しても下痢はしない。腎積で施術した。

8診目(初診より58日目):腹痛、下痢もなくイリボーも服用していない。脾積で施術した。

8診で施術を終えた。

考察

院長の顔写真

初診当初、仕事の出勤中や就職したばかりの仕事に対する緊張から腹痛・下痢が出ると心配していた。

 

定期的に運動を行っているため、熱の産生、巡りは良く、仕事への通勤や仕事にも思ったほどストレスも感じることがなく、新しい環境に慣れたこともあり、早く改善された。

 

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