2025.9.21 お灸教室 お灸の基礎

お灸教室に参加されたお客様

こんにちは。豊橋市の伝馬町鍼灸院 院長の川添です。

9月21日、当院にてお灸教室を行いました。今回は、2人参加していただきました。

今回も和気あいあいと楽しい時間を共有させていただき、感謝申し上げます。

お二人ともお灸に対して大変興味をもっていただいて、たくさんのご質問を受けました。

 

お灸は、もともと中国を発祥の地として、日本には約6世紀頃、仏教伝来とともに遣隋使、遣唐使さん達によって日本に輸入されました。

その頃、大宝律令の制定により、医疾令が制定され鍼や漢方薬と共にお灸は医師が医学として使い始めました。最初は貴族の方の医療として使われていました。鎌倉時代には、お坊さんが医師を兼任し庶民に普及に努め、時代を経るにしたがって江戸時代になると、庶民の方が健康の回復、維持、増進ためにに盛んに行うようになりました。

明治時代に入ると、西洋医学が正当な医学として制定され、それまで主流でしたお灸、鍼、漢方薬は衰退の一途を辿りました。

戦後になるとますます西洋化の時代になり、お灸は熱い、痕が残るなどの理由から一般の方に受け入れられにくくなりました。

しかし、その熱い、痕が残るお灸を改良した台座を付けたお灸が作られ、少しずつ脚光を浴びるようになりました。

ただ、やはり台座のついお灸でも、初めての方にはどう扱ってよいかわからないことが多いです。

そこで当初お坊さんが庶民に普及させたように、プロである私たち鍼灸師がお灸の伝導者であるべきでだと思っています。

少しでもお灸の良さをお届けしたいという思いでお灸教室を開催しております。

お灸教室に参加されるとご自身でお灸を据えられるようになります。

次回は、11月16日日曜日午前10時から、当院で行います。参加費は6,600円(税込み)です。

お灸教室に参加されたい方は、当院にお電話0532-63-6093もしくはLINEを登録していただき、「お灸教室参加希望」とメッセージを送っていただくか、お灸施術を受ける時にでもお伝えください。

写真は左右にスライドできます

モグサ作り体験

もぐさ作り

もぐさが工場で作られる工程を、家にあるものを使ってヨモギからもぐさを作る体験をしました。

乾燥させたヨモギの葉っぱをすり鉢に入れ、すりこ木で粉々にすりつぶしてザルに移し替えて、夾雑物を取り除きます。

これを繰り返し行うともぐさができます。

ヨモギの葉っぱをすりつぶすにつれて、触ってみるともぐさのふわふわ感がより出てきます。

モグサを作る最も手軽な手軽な方法は、コーヒーミルを使います。が線維が切れしまい、本来のもぐさの良さよりもやや劣ってしまいます。

ショウガ灸

出来上がったもぐさを使って合谷(ごうこく)にショウガ灸

出来上がったもぐさを使ってショウガ灸を体験していただきました。もぐさと皮膚の間に物を介在させて行う灸を隔物灸と言います。

ショウガ灸は、ショウガの温める、血行を良くする成分であるジンゲロール、ショウガオール働きとお灸の熱とヨモギの香りの成分であるシネオールの作用により自律神経の副交感神経が刺激され、心身が癒されます。

足三里へのお灸

足三里(あしさんり)へのお灸

鍼灸師がセルフ灸として初めての方にお勧めするツボが足三里です。
足三里は万能のツボとして有名なツボです。胃腸の働きを高め、疲労の回復、足の疲れ、むくみ、全身倦怠感、やる気が出ない、落ち着かないなどの精神的な症状にもよく効くツボです。免疫力を高めるツボでもあります。感染症予防にも効果があります。

太衝のツボ

太衝(たいしょう)へのお灸

太衝は、足の親指と人差し指の間を指で足首の方に向かってなぞり、小高い骨の手前の窪みにあるツボです。このツボは上半身の熱を下半身におろす働きがあります。イライラやのどの違和感を始め、生理痛、PMSなど婦人科系のトラブルによく使われます。また目の病にも効果があります。

太白(たいはく)のツボへのお灸

太白は、足の親指側で足裏と足の甲の間の辺りを内くるぶしの方に向かって指でなぞると出っ張った骨があります。その後ろのくぼんだ所に取ります。
ここのツボは、食欲不振、胃痛、吐き気、便秘、下痢など主に消化器系の病によく使うツボです。

湧泉のお灸

湧泉(ゆうせん)へのお灸

湧泉は足の裏、足の指を足裏に曲げ、一番凹んだ所に取ります。このツボは、東洋医学では腎の働きを助け、生命力を高める働きがあります。参加者の方に、片足立ちをしていただき、不安定に感じられる側の足の湧泉にお灸をして、再度その足で立ってみると施灸前よりも安定した感じを得ることができました。

器具を使ってのお灸

器具を使用した棒灸

もぐさを棒状にした棒灸は、皮膚を点ではなく、面的に温めることができます。器具を使うことにより、肩や首を始め、付属品の取っ手を使えば一人では届かない背中へもお灸をすることができます。ツボを意識せず筋肉のコリ、痛みなど広範囲の慢性的な症状に使っていただくと便利です。

器具を使わない棒灸

器具を使わない棒灸

棒灸は器具がなくても使えます。足先や手先などの末端、足のツボを温めることで体の温まりを感じます。傷の周りを温めることで周りの免疫力が高まり傷が早く治ります。

三陰交に火を使いわないお灸

三陰交はうちくるぶしの頂点から指4本分の高さで骨の際にあります。このツボは3つの経絡(肝経、脾経、腎経)が交差する所です。生理不順、下痢、便秘などの下腹部のトラブルを始め、冷え症や精神的不安定な状態など多岐にわたる症状に使われます。
火を使わないお灸は、シールになっているので持続的に温めることができます。
立ち仕事やデスクワークなど足の疲れや冷えの予防にも使うことができます。

ヨモギの乾燥

ヨモギの乾燥

採取したヨモギの葉っぱを自宅で乾燥させる場合は、野菜を天日干しするネットを使用すると便利です。7~10日乾燥させます。

参加された方のアンケート

豊橋市 女性 44歳 主婦

お灸教教室アンケート 

豊橋市 女性 59歳 自営

お灸教室アンケート

伝馬町鍼灸院