今回は、高血圧のお話だよ。高血圧は、自分でなかなか気がつかずに普段生活してるけれど、
放っておくと血管が硬くなり(動脈硬化)、「脳梗塞」や「心筋梗塞」「腎不全」などの大きな病気の引き金になるんだよ。高血圧そのものに症状が現れないため、“サイレントキラー”(沈黙の殺し屋)なんて呼ばれてるんだ。
「えー!そんな物騒なあだ名がついてるの! とても怖そうだね。で、そもそも血圧って何?」
血圧とは、血液が血管の壁を押す圧力のことだよ。その値は、血管を流れる血液の量と、太い血管から細い血管へ血液が入り込むことによって起こる抵抗の2つに影響されるんだよ。
「血圧は、血液が血管の壁を押す圧力のことで、血液の量と細い血管の抵抗力に左右されるんだ。血圧を測ると2つの値がでるじゃない?それは、どうしてなの?」
血圧には、心臓が縮んで血液を全身に送り出すときに、血液が血管の壁を押す圧力が最大になるんだ。これを、収縮期血圧というんだよ。
また、心臓が拡がって血液が心臓に戻ってくるときに、血液が血管の壁を押す圧力は、最小になるんだ。これを拡張期血圧といい、この2つの値を測定しているんだね。
この圧力が大きくなり、心臓や血管に大きな負担がかかっている状態が高血圧なんだ。
「よく上の血圧、下の血圧ってきくけど、上の血圧が収縮期血圧で、下の血圧が拡張期血圧のことなんだね。じゃあ、高血圧の値っていくつなの?
収縮期血圧が140mmHg以上または拡張期血圧が90mmHg以上。でもこれは、お医者さんで測定したときの基準値だよ。
「家庭で測る際の基準値は違うの?」
それが違うんだよ。家庭では、収縮期血圧が135mmHg以上または拡張期血圧が85mmHg以上で通常の基準値より5mmHgずつ低くなってるんだ。
「どうしてなの?」
患者さんがお医者さん看護師さんの前で緊張するなどして血圧が上がることがあるんだ。これを「白衣高血圧」と言って、特に家庭で血圧を測る必要があるタイプなんだ。
もう一つ、お医者さんの前では、正常なんだけれど、家庭で測ると血圧が高いタイプがあるんだよ。それを「仮面高血圧」と言って、夜間や早朝に高くなるタイプで、高血圧としての治療が必要なんだよ。
血圧は一日の中でも常に変動しているので自分の血圧の状態を正確に知るためには、家庭で毎日血圧を測ることが大切なんだ。
「ふ~ん、毎日家庭で血圧を測定することが高血圧の予防や、診断、治療につながるんだ。ところで、家庭で測る血圧計だけど、指や手首、二の腕で測るものがあるけど、どれがいいの?」
日本高血圧学会では、心臓の高さに近く、最も正確に血圧を測定できる二の腕で測るタイプの血圧計を使うことをお勧めしているよ。
「家庭で測る場合、いつ測ればいいの?」
朝と夜の一日2回がいいね。朝は、起きてから1時間以内、排尿後、朝食前、服薬前がいいよ。夜は、入浴やトイレ、食事、飲酒の直後は避けて、寝る前に測定することがお勧めだよ。朝と夜の2回測ることで、血圧の状態をより正確に知ることができるんだよ。
「毎日血圧を測り、それを記録しておくメリットはあるの?」
毎日測定した血圧を記録しておけば、お医者さんに行ったときに見せると白衣高血圧や、仮面高血圧などの発見につながるよ。それに治療している人は、毎日記録することで治療の効果が目に見えて実感でき治療の意欲もでてくるしね。また予防の意味でも、自分の体調を知るバロメーターにもなるからね。
「そういえば、うちのお父さん、高血圧で薬を飲んでるけど、それ以外何もしていないんだけど
日常生活では、どんなことに注意したらいいの?」
日常生活を見直すことは、高血圧ばかりでなく健康への第一歩にもなるんだよ。日本高血圧学会では、以下の6つのポイントを挙げているよ。
1. 食塩制限:6g/日未満
2. 野菜、果物、魚(魚脂)の積極的摂取:コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控える。 3. 適正体重の維持:BMI(体重(㎏)÷[身長(m)×身長(m)])が25未満。
4. 運動療法:心血管病のない人高血圧患者さんが対象で、有酸素運動を中心に定期的に(毎日30分以上を目標に)行う。
5. アルコール摂取量の制限:一日あたりエタノールで、男性で20~30ml/日以下、女性で10~20ml/日以下。
6. 禁煙
6つのポイントについては次回、もう詳しく説明するよ。楽しみにしててね!
今回はこれでおしまい。
お電話ありがとうございます、
伝馬町鍼灸院でございます。