2025.12.21 お灸教室 お灸の基礎

お灸教室に参加されたお客様

こんにちは。豊橋市の伝馬町鍼灸院 院長の川添です。

12月21日、当院にてお灸教室を行いました。4人参加していただきました。

今回もにぎやかで、和気あいあいと楽しい時間を共有させていただき、感謝申し上げます。

お灸は、ヨモギの葉っぱから精製したもぐさを使って体表にあるツボに適度な温熱刺激を与え、健康の回復、維持、増進を図る東洋の伝統的な医療術の一つです。

お灸には、大きく分けますと火傷の痕の残る有痕灸と痕の残らない無痕灸があります。

昔は子供が悪いことをすると、叱責する意味で身近な人から「お灸を据えるぞ!」という言葉を使った時代がありましたが、これは有痕灸のことで現在のお灸のほとんどが火傷の痕が残らない気持ちの良いお灸です。

私たち鍼灸師がお客様に施灸する場合、軽くひねったもぐさを皮膚に直接置き、ある程度熱感を感じ取った後すぐに取り除く知熱灸が主流です。

 

無痕灸には、その他もぐさと皮膚の間にショウガなどの物を介在させて行う隔物灸、もぐさの下にシールになった台座を皮膚に貼り付けて行う台座灸、棒状に紙に包んだもぐさの先端に火をつけて皮膚の上にかざす棒灸、よもぎと発熱材を組み合わせた火の使わないタイプのお灸など多くのやり方の種類があります。

これらは、お灸教室ですべて学ぶことができます。

 

お灸のすばらしさは、私たち鍼灸師だけではなく一般の家庭でもできるところです。

 

お灸に興味はあるのだけれど、初めて自分でお灸を据えるには敷居が高い、と思っている方も多いと思います。

そこで伝来当初お坊さんが庶民に普及させたように、プロである私たち鍼灸師がお灸の伝導者であるべきではないかと思っています。

少しでもお灸のすばらしさをお届けしたいという思いでお灸教室を開催しております。

お灸教室に参加されるとご自身でお灸を据えられるようになりますし、ご家庭の方にも据えられるようになります。

次回は、1月18日日曜日午前10時から12時30分まで、当院で行います。参加費は6,600円(税込み)です。残り3名様を募集しています。

2月は15日日曜日です。こちらは4名募集します。

お灸教室に参加されたい方は、当院にお電話0532-63-6093もしくはLINEを登録していただき、「1月もしくは2月のお灸教室参加希望」とメッセージを送っていただくか、お灸施術を受ける時にでもお伝えください。

定員になり次第、締め切ります。

写真は左右にスライドできます

モグサ作り体験

もぐさ作り

もぐさはの原料はヨモギの葉っぱです。葉っぱの裏をみると白色しています。

これば、専門的は「毛茸(もうじょう)」と「腺毛(せんもう)」からできています。腺毛にはシネオールという揮発性の精油が含まれており、燃やした時に独特の香りがします。

すり鉢で乾燥させたヨモギの葉っぱをすりつぶすだけでもヨモギの香りが漂います。ザルで不純物を取り除きながら繰り返すとだんだんとモグサらしくふんわりさがでてきます。

最近ではコーヒーミルなどで簡単に作れます。ただ、コーヒーミルで作ったモグサは線維が切れているので、プロの鍼灸師ができたもぐさを触れるとややごわごわした印象を受けます。

ショウガ灸

出来上がったもぐさを使って合谷(ごうこく)にショウガ灸

皆さんで作ったもぐさを使ってショウガ灸を据えました。

ショウガ灸は、ショウガの温める、血行を良くする成分であるジンゲロール、ショウガオールの働きとお灸の熱とヨモギの香りの成分であるシネオールの作用により自律神経の副交感神経が刺激され、心身が癒されます。

ただ煙が多くでるので、自宅で行う場合は、換気扇のある部屋、窓を開けられる部屋などで行ってください。

足三里へのお灸

足三里(あしさんり)へのお灸

鍼灸師がセルフ灸として初めての方にお勧めするツボが足三里です。

膝がしらの外側下の凹みに指4本分下、外くるぶしに向かったライン上で
凹んでいる、押すとズーンとする、ぶよぶよしているなど周りの皮膚と違った感覚のするところに取ります。

このツボは、鍼灸師は一番使うツボです。どんな症状にも対応できます。

吉田兼好の「徒然草」には、「四十以降の人、身に灸を加えて、三里を焼かざれば、上気の事あり。必ず灸すべし」とあり、年齢を重ねるとのぼせが起こるから足三里にお灸をした方がよい、と述べられています。

太衝へのお灸

太衝(たいしょう)のへのお灸

太衝は、足の親指と人差し指の間を足首の方に向かってなぞりと出っ張った骨があります。その骨の手前にやや窪んだ所に取ります。ここを押すと足の指先がピリピリすることがあります。

ここのツボは足の冷えや痛みを始め、生殖関係、腰痛、胃の不調、喉の不調、目の疲労、イライラ、不眠、怒りを鎮めるなどの効果があります。

太白へのお灸

太白(たいはく)へのお灸

太白は、足の親指側で足裏と足の甲の間の辺りを内くるぶしの方に向かって指でなぞると出っ張った骨があります。その後ろのくぼんだ所に取ります。

このツボは、足の太陰脾経という経絡に属するツボです。主に食欲不振、げっぷ、胃痛、嘔吐、便秘。下痢など消化器に全般に使われるツボです。体がだるい、重いなどにもこのツボは有効です。

湧泉へのお灸

湧泉(ゆうせん)へのお灸

湧泉は足の裏、足の指を足裏に曲げ、一番凹んだ所に取ります。このツボは、東洋医学では腎の働きを助け、生命力を高める働きがあります。

参加者の方に、片足立ちをしていただき、不安定に感じられる側の足の湧泉にお灸をして、再度その足で立ってみると施灸前よりも安定した感じを得ることができます。

湧泉は冷え症を始め、のぼせや脳の疲労、足の疲れや痛みなどによく使用します。

器具を使った棒灸で首を温めている所

器具を使ったお灸

器具を使用したお灸では、棒灸を使います。棒灸は筒状にした紙の中に粗目のもぐさを詰め込んだものです。それを器具にはめ込んで使います。

器具を使った棒灸は、ツボを意識することなく、点ではなく面で温めるので広い肩こり、首こりを始め手足など大きな筋肉の広範囲を温めるのに便利です。

長い取っ手を使うと自分の手が届かない背中までお灸を据えることができます。

器具を使わない棒灸で足指を温めている所

器具を使わない棒灸

器具を使わず、棒灸だけを使ったお灸です。温めたいツボや皮膚に棒灸をかざし、ある程度の熱を感じましたら皮膚から離すやり方です。これは、温熱の強弱や刺激時間を自在にコントロールできまます。

手足の末端や、膝や足首など冷え感を感じる所に熱をしっかり感じさせることで冷えを改善できます。

この棒灸を消す場合には、アルミホイルを使って、あらかじめ棒灸を巻いて筒状にして抜き、使用後にその筒の中に火のついた方を納めて入り口をしめます。

ヨモギの乾燥

ヨモギの乾燥

採取したヨモギの葉っぱを自宅で乾燥させる場合は、野菜を天日干しするネットを使用すると便利です。7~10日乾燥させます。

参加された方のアンケート

豊橋市 女性 84歳 主婦

お灸教教室アンケート 

豊橋市 女性 79歳 主婦

お灸教室アンケート

豊橋市 女性 77歳 主婦 

お灸教室アンケート

豊橋市 女性 43歳 主婦

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