お年を重ねるにつれ、それに比例するかのように飲むお薬の量や種類がだんだん増えちゃうことありますよね。おじいちゃん、おばあちゃんなんかお薬でお腹がいっぱいになりそうな人もいますもんね。
今回は高齢者とお薬についてお話するね。情報が盛りだくさんだから集中力を切らさないで読んでみてね!
高齢者ほど副作用がでやすい?
薬の副作用なんて年齢に関係なくでるんじゃないの?そう思っているあなた、ちょっと僕の話を聞いて下さい。副作用は高齢者ほどでやすいんですって!どうしてか知りたいでしょ。教えてあげる
お年を重ねるとさまざまな病気をかかえ、薬の量や種類が多くなりますよね。1日1回~3回飲む薬とか食後、食前、食間に飲むとか1日に服用する回数や時間がまちまち。しかも色が似たような薬もある。
お年を重ねると記憶が低下し「あれ~薬飲んだっけ?」なんて飲み忘れや視力の低下により「これとこれはどう違うのかわからん。まぁいいか」なんて飲み間違いを起こしやすくなるんだよ。
それから体の働きの問題。飲んだ薬は、食道、胃を通り、小腸で吸収されて肝臓へ運ばれるんだ。お薬は肝臓で少し分解されるけど大部分は血液に乗って体をめぐりお目当ての所で役割を果たします。そして再び肝臓へもどってバラバラにされて最終的には腎臓から膀胱そしてオシッコとして体の外へだされるんだよ。
お年を重ねると肝臓や腎臓の働きが弱ってきて肝臓が薬をしっかり分解できなかったり、腎臓の働きが悪くなり、それだけ体内に留まっている時間が長いため、薬の作用が長く続いちゃうんだよね。
ちなみに高齢者に多い副作用は、鎮痛剤の飲みすぎによる胃の痛み、筋力や感覚の働きの低下から睡眠薬や降圧剤による「ふらつき」や「転倒」、腸の働きの低下から「便秘」などだって。
薬や食品との飲み合わせについて
何種類もの薬を一度に飲むあなた、薬や食品との飲み合わせって考えたことある?とっても重要なんだよ。飲み合わせによっては、薬の効果に影響するばかりではなく相互作用で思わぬ副作用にもつながるんだよ。じゃあ、飲み合わせのタイプをお話するね。
薬どうしの飲み合わせのタイプ
1. 同じ作用が重なるタイプ
同じような作用をもつ薬を一緒に飲むとその作用が重なって 効き目が強くなり副作用が出やすくなるんだよ。
2. 逆の作用がぶつかるタイプ
相反する働きを持つ薬を一緒に飲むとお互いを打ち消しあって、効き目が弱くなり薬の効果がでにくくなるんです。
3. 結合するタイプ
薬の成分どうしがくっついて別の物質になり、体に吸収されにくくなり薬の効果が発揮できない。
4. 分解に影響するタイプ
薬は肝臓で「酵素」によって分解されるんだよ。一方の薬が酵素の働きを抑えてしまうと、もう一方の薬が体の中に長く停滞してしまい、効き目が強くなるし逆に酵素の働きが促進されると一方の薬が早く分解され効き目が弱くなるよ。
薬どうしの飲み合わせの例
1. ワルファリン+鎮痛薬
ワルファリンは血を固まりにくくするお薬で脳梗塞を起こしたときに使われます。鎮痛剤もワルファリンと同じような作用を持っています。一緒に飲むとワルファリンが効きすぎて脳出血を起こす危険性があります。
2. ビスホスホネート+カルシウム剤
ビスホスホネートは骨粗鬆症の薬です。カルシウム剤は骨粗鬆症の治療に使われるけど、一緒に飲むとおなかの中で2つが結合して体内に吸収しにくくなります。
3. イトラコナゾール+他の薬
イトラコナゾールは水虫などの治療薬で、さまざまな薬を分解する酵素の働きを妨げる作用をもっています。そのため、他の薬と一緒に飲むと他の薬の効き目が強くなり副作用がでやすくなります。
薬と食品の組み合わせの例
1. カルシウム拮抗薬+グレープフルーツ
カルシウム拮抗薬は高血圧などのお薬ですがグレープフルーツを取るとカルシウム拮抗薬の分解が妨げられ薬が効きすぎて血圧がさがりすぎてしまいます。
2. ワルファリン+納豆
血を固まりにくくするワルファリンと血を止めるビタミンKを多く含んだ納豆を食べると薬の作用が打ち消され血の塊(血栓)ができやすくなり脳梗塞につながる恐れあり。
3. 抗うつ薬+アルコール
どちらも中枢神経を抑制する働きがあり、作用が重なって効き目が強くなり場合によっては、意識障害や呼吸困難が起こる恐れあり。
飲み忘れ・のみ間違いの対策
1. 薬局で一回ごとに区分けしてもらう
薬を処方されたら薬局で朝、昼、晩などと飲む薬を一まとめにしてもらいましょう。薬局で小さなビニールの袋に「朝食後」なんてかいて同じ時間帯に飲む複数のお薬を一まとめにしてくれるよ。
2. 曜日、時間帯ごとに区分けされた小さなケースを使う
薬局に行くと曜日と朝昼晩で区分けされたプラスチックでできた容器が売っています。それを購入して曜日、朝昼晩と区分けされた所にお薬を入れておきます。そうすると飲み忘れが一目瞭然だよ。
3. お薬手帳の活用
調剤薬局でお薬が処方されると処方した日付、調剤日、医療機関、受診科目、医師名、処方された薬の名前や量など、また親切な所はその効能効果や副作用の書いたシールをお薬手帳に貼ってくれます。それを見ればどこの調剤薬局でも過去の薬の使い方から飲み合わせや副作用をチェックしてもらえるよ。
4. 調剤薬局を1か所に決める
複数の医療機関にかかっていると調剤薬局も複数になりがち。そんなときは調剤薬局を一箇所に決めておくと飲み合わせのチェックができます。
5. 頼りになるかかりつけの薬剤師さんを見つける
多くの患者さんはかかりつけのお医者さんや主治医がいます。それと同じように調剤薬局で自分に合ったかかりつけの薬剤師さんを見つけるととっ~てもメリットがあるよ。薬剤師さんはいわば薬の専門家。薬について困ったとき相談に乗ってくれる人がいるなんてどんなに心強いかと思いませんか?
お薬について、その他
最後に高齢者のお薬について飲みにくさと経済的な負担についてお話するね。高齢者にはお薬が飲みにくいという人もいるよね。たとえば粉薬。飲む時、結構むせちゃいますよね。そんなときは「オブラート」や「ゼリー剤」を使うと良いって。カプセルや錠剤でもオブラートやゼリー剤が使えるよ。
ただ、ゼリー剤は薬によっては合わないこともあるからそれこそ薬剤師さんに相談してね。それからお年寄りの方は年金暮らしの方が多く薬代もバカにならないよね。
そんなときは「ジェネリック医薬品」を使用することも可能だよ。ジェネリック医薬品って、 あるお薬を開発した製薬会社が、そのお薬を誰よりも先に出して販売する特許期間が終わり、その薬の効果や副作用を再度調べた後に同じ成分の薬の名前をかえて販売される薬のことだよ。
成分が同じだから効果も副作用も同じで先発医薬品に比べ価格が安いんだよ。お薬に関して経済的に負担を感じたら今度先生に勇気をもって「ジェネリック!」と言ってみてね!
お電話ありがとうございます、
伝馬町鍼灸院でございます。