伝馬町鍼灸院健康通信 骨粗鬆症 原因から予防まで

骨粗鬆症 原因から予防まで

今回は、骨の生活習慣病と呼ばれている骨粗鬆症のお話をするね。

「骨粗鬆症って骨がスカスカになって骨折しやすい病気でのことでしょ。でも、どうやって起こるの?」

骨はねぇ、古くなった骨を「破骨細胞」が壊し、「骨芽細胞」が新しい骨をつくる「骨代謝」を絶えず繰り返してるんだよ。この「壊す」と「造る」のバランスが崩れ、「造る」よりも「壊す」働きが強くなることで骨が弱くなるんだよ。

「ふーん。でもそれって自分で気づかない人もいるんじゃない?」

そうだね。骨粗鬆症で背骨の骨がつぶれる「圧迫骨折」をしてても、気づかない人もいるんだけど、たとえば身長が縮んだり、背中や腰が曲がったり、立ち上がるときに背中や腰が痛んだり、背中を壁につけた時に頭がつかない、という自覚症状がでたら要注意だよ。
「そういえば私のお母さん、最近なんだか背が縮んだ気がしてるだけど・・・。ねぇ、骨粗鬆症の原因って何があるの?」

骨粗鬆症の原因には、以下のような原因があるんだよ。

1. 加齢:ビタミンDの摂取不足などでカルシウムの吸収が低下する。65歳以上は注意が必要
2. 閉経:閉経後は、骨を「壊す」働きを抑える女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が低下。患者さんの8割は、女性でその多くの要因が閉経です。
3. 生活習慣:「運動不足」「偏食」「過度の飲酒」「喫煙」「日光を浴びる機会が少ない」など。 また、若い頃からの無理なダイエットを繰り返す。
4. 薬:たとえば、「ステロイド」。骨芽細胞の働きを悪くしたり、腸からのビタミンDやカルシウムの吸収を抑えたりする。
5. 病気:バセドウ病などの「甲状腺機能亢進症」「関節リウマチ」「糖尿病」などがあると骨代謝に影響する。 また、大人になってから骨折したことがあるとか、両親のどちらかが腿の付け根の骨を折ったことがある人、やせている人も重要な危険因子なんだよ。
「骨粗鬆症の人は、お薬を飲んでいるけど、生活習慣で気をつけるとしたらどんなことに気をつけたらいいの?」
いいところに気づいたね。骨粗鬆症の人はただ、お薬を飲めばそれでいいのではなく生活習慣を見直すことが必要だね。普段の中で骨を丈夫にするには、まずタバコを吸っている人はやめること

たばこは、「早期閉経」「体重減少」「エストロゲンの分泌低下」などを招くんだよ。そして過度の飲酒は慎むこと。過度の飲酒は、骨をつくる「骨芽細胞」の働きを阻害して、骨量を減らすことが知られています。それから、「食事」「運動」「日光を浴びる、この3つがキーポイントだよ。

「じゃあ、まずは、食事から。どんな物を食べればいいの?

骨を丈夫にするには、「カルシウム」「ビタミンD」「ビタミンK」だね。それに高齢者は小食になり、たんぱく質の摂取量が減るから意識して摂りたいよね。

カルシウムを多く含む食品:カルシウムは、骨の主な材料になります。牛乳、乳製品(チーズやヨーグルト)、骨や殻ごと食べられる魚やえび、豆腐、納豆、小松菜など。
ビタミンDを多く含む食品:ビタミンDは、腸からのカルシウムの吸収率を高めます。きくらげ、マグロの赤身、鮭、しらす干し(乾燥)、うなぎなど。

ビタミンKを多く含む食品:ビタミンKは、骨の形成を促す働きがあります。納豆、ほうれん草、小松菜、にら、ブロッコリー、たまごなど。 「リン」を過剰に摂取すると、カルシウムの吸収が妨げられるんだよ。インスタント食品や加工食品に多く含まれているので注意が必要です。また「食物繊維」も大量にとるとカルシウムの吸収を下げるので適量を取ったほうがいいよ。

「次に運動は?どうして運動が必要なの?また、どんな運動がいいの?」

骨にカルシウムを蓄えるには、骨に「体重」をかける必要があるんだ。階段の上り下りや散歩でも骨を強くする効果があるんだよ。
でも、負荷をかけすぎると圧迫骨折してしまうことがあるから無理は禁物。運動習慣がない人は、「ウォーキング」から始めるといいよ。家の中では、スクワットや片足立ちがお勧めだね。

「日光にあたることがなんで骨粗鬆症にいいの?」
それは、カルシウムを効率よく吸収するには、食事で摂ったビタミンDを活性化させることが
重要なんだ。ビタミンDは、日光が皮膚に当たることで活性化するんだよ。夏なら木陰で30分程度、冬なら手や顔に1時間程度浴びれば充分だよ。

今回はこれでおしまい。

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