体温を上げる食事について

食事は、食事誘発性熱代謝により、熱の産出を高めると同時に、体がそこから得た栄養素を使って生命活動を行うために必要不可欠なものです。

 

食事に関して、体温を高めるためには、栄養素、食材、食べ方などを考慮する必要があります。

1.栄養素

私たちが生命活動を維持してゆくうえで必要なエネルギーを作り出すために栄養として外界から取り入れる物を栄養素と言います。

 

栄養素は、活動や体を構成するために必要な物質である炭水化物、タンパク質、脂肪があり、体の調子を整えるビタミン、ミネラルに分類されます。このうち炭水化物、タンパク質、脂質を三大栄養素、ビタミン、ミネラルを含めて五大栄養素といいます。

【1】熱を生み出すエネルギー源

炭水化物、タンパク質、脂肪は熱を生み出すエネルギー源です。

①炭水化物

炭水化物は、消化吸収される糖質と、されない食物繊維に分かれます。糖質は主に、脳や体を動かし熱を産生します。脂質も熱を産生しますが、糖質の方が、燃焼が早く体に吸収されるとすぐに熱を産生します。

 

糖質が足らないと疲れやすかったり、脳の活動が妨げられます。摂りすぎると体脂肪として体が太ります。 また糖質を効率よく燃やすためには、ビタミンB1が必要です。

 

糖質は、砂糖や果物、ご飯、パン・麺類などの小麦、トウモロコシ、サトウキビ、イモ類などにもでんぷんとして含まれています。

②タンパク質

タンパク質は、私たちの内臓、筋肉などの細胞を構成する栄養素で消化され、アミノ酸からできています。アミノ酸を使って筋肉や内臓や酵素を作り出します。

 

糖質や脂質が足りなくなると体は、筋肉のたんぱく質を使って熱を産出するため、筋肉が減少し、熱の産生の効率が低下します。

 

タンパク質が足りないと、病気にかかりやすくなったり、成長期では、十分に成長ができなくなります。タンパク質は余剰分を体に蓄積できないので、毎日適量を摂ります。

 

タンパク質は、動物性と植物性に分類されます。

 

動物性たんぱく質:肉類・魚介類・卵・乳製品など

 

植物性たんぱく質:豆類・穀類など

 

構成するアミノ酸の種類や量が異なるので、それぞれのたんぱく質を含む食品をバランスよく食べましょう。

③脂質

脂肪は、炭水化物と同様に体の熱を産出するエネルギー源で、糖質やタンパク質よりも多くの熱量を生み出せます。また、体の中で神経組織、細胞膜、ホルモンなどを作るのに欠かせない成分です。

 

不足すると、疲れやすくなります。また、油に溶けるビタミンA・D・E・Kの吸収が妨げられ、体調が悪くなったりします。摂りすぎると、肥満になり、動脈硬化や高脂血症が進みます。

 

脂質の種類によって、効用や特徴が異なります。

 

*飽和脂肪酸が多い物:ヤシ、ココナッツ、牛肉、羊肉、バター、ラードなど。飽和脂肪酸は、常温で固まりやすい。摂りすぎると、肥満、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞な土の生活習慣病につながります。足らないと血管がもろくなります。

 

*多価不飽和脂肪酸が多い物:オリーブ、菜種、コーン、紅花、大豆、レバー、卵など。多価不飽和脂肪酸は、常温で固まりにくい。摂りすぎるとアレルギーなどの炎症を強める。

 

*オメガー3系多価不飽和脂肪酸が多い物:亜麻、シソ、サバ、さんま、イワシ、カツオ、マグロなど。不足すると皮膚炎などを生じます。血中の中性脂肪を下げたり、不整脈を予防したり、血液をさらさらにして動脈硬化を防いだりすることなどがわかってきています。

【2】冷え解消に役立つビタミン

ビタミンは、体の中の生命活動の反応を促進する役割があります。体内で合成されませんので、食事から摂取する必要はあります。

①ビタミンB群

ビタミンB1:糖質が燃焼する際に代謝を補助する。昆布、豚肉、鶏レバー、大豆、えんどう豆、玄米、牛乳、卵黄、ゴマ、ピーナッツ、うなぎ、たらこなど

ビタミンB2:3大栄養素の代謝に関わる。レバー、アボガド、モロヘイヤ、卵、サバ、ウナギ、さんま、ハマグリ、納豆、春菊など。

ビタミンB6:タンパク質の代謝関わる。レバー、肉類、さんま、カツオ、卵、豆類、トウモロコシ、はちみつ、赤ピーマン、サツマイモ、バナナ、キャベツ、干しブドウなど。

 

ビタミンB12:造血に関わる。シジミ、赤貝、さんま、牡蠣、鶏卵、レバー、チーズなど。

 

葉酸:造血に関わる。菜の花、ブロッコリー、芽キャベツ、ホウレンソウ、アボガド、イチゴ、インゲン豆、レバー、胚芽米、卵黄など。

 

ナイアシン(ビタミン):三大栄養素の代謝に関わる。レバー、肉類、魚類など。

②ビタミンC

ビタミンCは、コラーゲンの合成、鉄の吸収を高めます。抗ストレス作用を持つ副腎皮質ホルモンの合成を促進したり、抗酸化作用などがあります。

 

欠乏すると、肌の張りがなくなり、いろいろな病気にかかりやすくなります。また、悪化すると歯茎や皮下から出血する壊血病になったりします。喫煙や寒冷ストレスにより、ビタミンCの消費量は高まります。多く摂りすぎると一時的に下痢、頻尿、発疹がでます。

 

かんきつ類、イチゴ、ジャガイモ、赤ピーマン、黄ピーマン、ブロッコリー、カボチャ、アセロラ、サツマイモに多く含まれます。

③ビタミンE

抹消神経を拡張して血液の循環を促進し、動脈硬化の原因を防など血液循環に大切なビタミン。自律神経も調節するので、冷えの改善には不可欠です。

 

ウナギ、ハマチ、カボチャ、モロヘイヤ、ホウレンソウ、サフラワー油、綿実油、アーモンド、玄米などに多く含まれます。

【3】熱の産生を助けるミネラル

ミネラルは、熱の産生を助けるなど、生命活動の維持や調節に必要で、体を作る成分として欠かせません。特に体温に関わるのは、鉄、亜鉛、マグネシウムです。

①鉄

赤血球の成分ですので、欠乏すると貧血になり、十分に酸素を細胞に運ぶことができず、熱の産生が低下します。

 

レバー、ヒジキ、アサリ、ウナギ、サンマ、赤貝、小松菜、大豆、納豆に多く含まれます。

②亜鉛

生命活動を促進させる酵素の成分で、新陳代謝の活性化などに必要です。

 

牛レバー、牡蠣、ホタテ貝、タラコ、大豆、ソラマメなどに多く含まれます。

③マグネシウム

体内での酵素反応に関わっていて、タンパク質の合成やエネルギー代謝,筋肉の収縮,血圧調整,体温調整,血糖値の調整などを調節します。その他マグネシウムにはエネルギー代謝をするために必要なビタミンB1を保持する働きがあります。

 

アーモンド、クルミ、昆布、ワカメ、牡蠣、玄米、栗、大豆、納豆などに多く含まれます。

2.食材

食材は簡単に言えば、食べる物です。食材は大きく分けると、植物、動物、その他に分かれます。基本的に新鮮なものほど体温を体温を上げる働きがあります。

 

植物:穀類、野菜・山菜、果物、ハーブ、植物油、海藻、薬味

 

動物:魚介類、肉、乳、卵、骨・軟骨

 

その他:調味料、加薬、乾物、香料、食品添加物

 

【1】体温を上げる食材

*良質のたんぱく質:肉、魚、豆類

*発酵食品:味噌、漬物、しょうゆ、キムチ、酒かすなど

*血行を良くする:ニンニク、ショウガ、ネギ、唐辛子など

*余分な水分を排出する:温かい紅茶、黒豆、小麦、ハト麦、らっきょうなど

*温かい料理、加熱した料理:スープ、煮物、蒸し野菜・焼き野菜など

【2】体温を下げる食材

*体を冷やす:キュウリ、ナス、スイカ、マンゴーなど

*甘い物:白砂糖、ケーキ、清涼飲料水、まんじゅうなど。

*冷たい料理やデザートや飲み物:ビール、アイスクリームなど。

 

【3】食材を見分けるポイント

体を温め、温を上げるために効果のある食材か、体を冷やし、体温を下げる食材かを見分けるポイントを挙げて大きます。

①色で見分ける

赤・黄・黒など色の濃い食材は、体を温める作用があるものが多く、青・緑・白など色の薄い食材や寒色の食材には体を冷やす傾向があります。

 

温める 赤唐辛子、赤ピーマン、赤身の肉・魚、紅茶、赤ワインなど
カボチャ、ニンジン、味噌など
黒豆、ヒジキ、コマ、黒糖、プルーン、醤油など
冷やす ナスなど
キュウリ、レタス、生のキャベツ、バナナ、レモン、スイカなど
もやし、牛乳、白砂糖など

②産地や旬で見分ける

寒い季節や地方では、体を温める食材が良く育てられ、暑い季節や暑い地方では、体を冷やす食材が育てられます。

 

温める 北国 サクランボ、プルーン、そば、鮭など
リンゴ、カブ、レンコンなど
冷やす 南国 バナナ、パイナップル、マンゴーなど
キュウリ、スイカ、ナス、トマトなど

③生育の仕方で見分ける

地面の中で育つ根菜類などは体を温める食材が多く、地上に育つ葉や実などには、体を冷やす食材が多いとされています。

3.その他

【1】食材を加熱する

体を冷やす食材でも、加熱して温めることによって体を温める食材と一緒に食べれば、体を冷やす作用が軽減されます。

 

温めて食べるメリット

*温かい食べ物を食べる事で胃腸を冷やすことなく、消化吸収力が低下しない。

*冷たい物は胃腸の熱を奪いますが、温かい食べ物は余分な熱を消費する必要がない。

*物理的に体が温かくなる。

【2】時間をかけてよく噛む

食材を時間をかけてよく噛むことで、熱の産生を促します。

 

良く噛むことのメリット

 

*良く噛むことで食べ物が細かくなり、胃腸の消化吸収の負担が軽くなり、体の熱を胃腸に集中させなくて済む。

 

*食べ過ぎを防ぐことができ、肥満を防ぎ、熱の産生、巡りを妨げられずに済む。

 

*咬筋をよく使うことで、熱の産生を促すことができる。

【3】食べる回数と時間帯

食べる回数と、食べる時間帯によっては、胃腸に負担をかけ、熱の産生の効率が落ちます。

 

*できるだけ、一日3食同じ時間に規則的に摂ることで、生活リズムが正せます。

*一日2食では、十分な栄養を補うことができず、熱の産生力が低下します。

*朝は、温かくて消化の良いものを食べることにより、一日の活動のエネルギーが効率よく創られます。

*果物や当分の多い食材は昼間に食べるとエネルギーとして使われやすくなります。

*夜は、冷やす食材や冷たい物をなるべく取らなようにすることで、就寝中に十分な熱が作られるのを助けます。

          参考図書  体温を上げる健康法

                   日本レホルム連盟体温管理士会 編

                            コスモ21 出版

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