前回は、脳梗塞のなりやすい生活習慣のチェックと危険因子についてお話しました。今回は、脳梗塞の前ぶれ発作についてお話するね。
脳梗塞にはどんな前ぶれ症状があるの?
脳梗塞を起こした人の約3割は、前ぶれともいえる症状を経験しているんだって。脳梗塞と同じような症状が現れるものの短時間(多くの場合数分から30分)で消えるのでこれを一過性脳虚血発作(TIA)って言うんだって。
以下は脳梗塞を本格的に起こす重大なサインだからもし、ひとつでもあったら直ちにお医者さんへ行ってね。
1. 運動障害:体の半身の筋肉が動かせない。体の半身に力が入らない。
2. 感覚障害:体の半身が痺れたようになる。体の半身の感覚が鈍くなる。
3. 構音(こうおん)障害:舌がもつれて話しにくい。ろれつが回らず、発音が不明瞭になる。
4. 視覚障害:視野の半分が欠ける。片側の目が突然見えなる。ものが二重に見える。
5. 失語症:言われていることは理解できても言葉が出ない。聞いたり読んだりした言葉の意味が理解できない。
6. 半側空間無視:見えているはずなのに、視野の左右どちらかにあるものが認識できない。
7. 失認:視覚に異常はないのに、ものをみても認識できない。聴覚や触覚に異常はないのに聞いたり、触れたりしたものがなにかわからない。
8. 失行:運動機能や知能は保たれているのに、よく知っているはずの日常的な動作ができなくなる。
9. めまい:ぐるぐると目がまわるようなめまいが突然起きた。フワフワとして足元がおぼつかないような感じがする。
10. 失調:フラフラして立てない、まっすぐ歩けない。
11. 意識障害:意識がもうろうとしてくる。意識を失ってしまう。
FASTって何?
脳梗塞の兆候に早く対処するために「FAST」というサインがあるんだって!知ってた?
知らない人がほとんどだと思うからお話するね。
F(Face):笑うと顔の半分のゆがみが強調され、半分が麻痺していることがわかる。
A(Arm):両腕を上げると片方の腕を維持できず、下がってくる。
S(Speech):短い文を滑らかに話したり、繰り返し言ったりすることができない。
症状を発見したら時を行かずすぐに受診する。
脳梗塞の種類
脳梗塞は、脳卒中の1つで、脳卒中は血管がつまる場合と、血管が破れる場合の2つがあり、脳梗塞は前者になります。今度は脳梗塞の種類をお話するね。
脳梗塞には以下の3つの種類に分類されるんだよ。
アテローム血栓性梗塞:比較的太い血管の場合、高血圧や高血糖などに血液中のコレステロールが入り込み、アテローム(お粥みたいにネバネバしたもの)とよばれるドロドロのかたまりを作りこれが血流を滞らせます。糖尿病、脂質異常症などが関係しているんだって。
ラクナ梗塞:脳の細い動脈の血管の壁が厚くなって血管が狭まり血の流れが途絶えて起こる脳梗塞です。「ラクナ」とは、「小さなくぼみ」という意味です。高血圧が主な原因だって。
心原性脳梗塞:「心房細動」などの不整脈が原因で、心臓にできた血栓が脳に流れて太い血管を詰まらせます。突然起こり脳の広い範囲が障害され重症化しやすい。
脳梗塞の治療
脳梗塞の治療には、大きく分けると急性期の治療、再発を予防する治療、回復期のリハビリテーション、維持期のリハビリテーションに分けられます。
急性期の治療
1. 血栓溶解療法:血栓を溶かす療法で発症後三時間以内に行われます。
2. 脳保護法:脳細胞を傷つける活性酸素の働きを抑えます。
3. 抗血小板療法:血小板の働きを抑えて血栓を作らせない。
4. 抗凝固療法:血液を固まりにくくする。
再発を予防するための治療
脳梗塞は発症後1ヶ月以内の再発が多く、3人に1人が5年以内に再発するといわれているんだって。再発予防のためには「運動療法」「食事療法」「禁煙」「節酒」をするなど生活習慣の改善が必要です。同時に血栓を予防する、血圧を下げる、血糖値を下げる、コレステロールを下げる薬を飲むこともあります。次回は運動療法、食事療法、リハビリのお話をするね。
今回はこれでおしまい。
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伝馬町鍼灸院でございます。