「まだまだ暑い日が続いているね。今回はどんなお話?」
今日はねぇ、日本国民の5人に1人が持ってる水虫のお話だよ。
「水虫といえば、男の人が多いと思っていたけれど、最近は女性にも多くなってるって聞いたことがあるよ。で、水虫って一言で言うと何なの?」
水虫は、白癬菌(はくせんきん)というカビ(真菌)の一種が皮膚の角質層
「角質層って?」
皮膚は外側から表皮、真皮、皮下組織の3つの層からできていて、表皮はさらに4つの層からできていて、その表皮の一番外側にある層で、ケラチンというたんぱく質で出来ているんだけど、白癬菌はこのケラチンを栄養源にしていて、この層に住み着くんだよ。
白癬菌の感染は、体のどこの皮膚にもできるんだけど、一般に足や手にできるものを水虫と呼んでいるんだよ。
「水虫ってかゆいイメージがあるんだけど、実際はどうなの?」
確かにかゆいものもあるけどね。まずは、水虫の症状とタイプをみてみようね。症状とその現れる場所によって以下の4つのタイプに分かれるよ。
1.指の間にできる(趾間型:しかんがた):足指の間にできて、ジクジクして、皮膚がふやけたり、カサカサして皮がむけたり、赤くむけたり、腫れたりする状態で多くの場合、強いかゆみを伴う。夏に症状が現れ、冬に治まる。
2.足の裏側にできる(小水疱型:しょうすいほうがた):ブツブツと透明でやや粘り気のある液体を含む小さな水ぶくれ(水泡)が土踏まずや,足の側面にでき、かゆみを伴う。夏に症状が現れ、冬に治まる。
3.足の裏にできる(角質増殖型):足の裏全体が厚く硬くなり、白い粉がふいたり、皮膚表面がザラザラ、ガサガサ、ひび割れた状態でかゆみは伴わない。季節による変動はなし。
4.爪にできる(爪白癬):白癬菌が爪に感染し、爪の色が白く濁ったり、黄褐色、茶褐色になったり、分厚く変形したり、ぼろぼろ欠け落ちたり、爪の幅が狭くなるといった状態。かゆみは伴わない。季節に変動なし。水虫の中でも完治は難しい。
「水虫になったらどうすればいいの?」
自分では水虫だと思っていても、実際には、他の皮膚病のこともあるからまずは、皮膚科で診察を受けること。治療としては、塗り薬や飲み薬を使う「薬物療法」が基本となるよ。趾間型や小水疱型の水虫には、抗真菌薬の塗り薬が使われるよ。
最近では、1日1回塗ればよい薬が主流だよ。2週間程度で症状が治まってくるけど、皮膚の組織が入れ替わるのに1ヶ月はかかるので、少なくとも1ヶ月間は塗ってね。薬を塗る時は、指と指の間や足の裏全体にまんべんなく塗ること。白癬菌は症状の無いところにもいるので、症状が無い所にも塗ってね。
「飲み薬は?」
角質増殖型や爪白癬の場合に服用するよ。「1週間毎日服用、3週間薬を飲まない」ことを1サイクルとして3サイクル繰り返すパルス療法と呼ばれるものや、「毎日服用する」ことを6ヶ月間続ける方法があるよ。
「副作用は大丈夫なの?」
塗り薬の場合は重い副作用はないけど、飲み薬の場合、下痢、腹痛などの胃腸障害や肝機能障害などの副作用が、また妊娠中、授乳中の女性には使えないよ。
「水虫って再発しやすいって聞くけど、何か再発予防や、水虫にならない方法を教えてよ。」
まずは、足の清潔を心がけること。足の洗い方から教えるね。
1.泡立てネットなどを使って石鹸をよく泡立てて、泡で指と指の間、爪と皮膚の間、かかとなどをしっかり洗う。この時、ナイロンタオルや軽石で強くこすると、傷ができそこから白癬菌が感染しやすくなるので注意する。
2.流水で泡を洗い流す。
3.指と指の間、爪の周りなども拭き残しのないように丁寧に拭き取る。
その他、1.通気性のよい靴を履く。靴を履いている時間をなるべく短くする。2.毎日靴を替える。 3.除湿効果のある中敷を使う。4.蒸れにくい靴下を履く。などかな。
「薬局で売っている水虫の薬は効くの?」
市販薬にも医師から処方される薬と同じ成分が使われているので、一定の効果はあるよ。でも2週間続けてよくならない場合は、水虫以外のものも可能性があるので皮膚科に行ってね。
今回は、これでおしまい。
お電話ありがとうございます、
伝馬町鍼灸院でございます。