ストレス ストレス反応3つの側面
「前回は、同じストレッサーを受けても、ストレスを感じる、感じない差は、個人のストレッサーに対する適応力に違いがあり、取りこし苦労をする人、頑固・厳格な人、内向的・消極的な人、真面目・几帳面の人はストレスを強く感じられる性格の人達だったね。今回は?」
今回は、ストレス反応についてお話しようね。私たちがストレッサーにさらされると、身体面、精神・心理面、行動面の3つに症状として現れるよ。
「身体面では?」
身体面では、ストレスを感じる初期とストレスを感じている時期が慢性した時では、症状も違うよ。
ストレス初期から現れる症状:目が疲れやすい。肩が凝りやすい。背中や腰が痛くなる。朝、気持ちよく起きられないことがある。頭がすっきりしない、重たい。立ちくらみしそうになる。夢をよく見る。手足が冷たくなることが多い。食べ物が胃にもたれることが多い、など。
慢性ストレス状態になって現れる症状:なかなか疲れが取れない。何かするとすぐに疲れる。腹が張ったり痛んだり、下痢や便秘が良くある。口の中が荒れたり、ただれたりすることが良くある。よく風邪をひきなかなか治らない。舌が白くなることがある。体重が減る。夜に目が覚めたあと、なかなか寝付けない。好きなものでもあまり食べる気がしない、など。
さらにストレス状態が続くと病名のつく病気になる。以下はストレスが原因で現れる主な体の病気を挙げるね。
「精神・心理的な症状は、どんなものがあるの?」
イライラする、焦りを感じる。緊張する、不安になる。落ち込むことが多い、自分を責める、無価値観。人に会うのが億劫になる、外出したくない。やる気が起きない、気力がない、覇気がない。いろんなことが負担(重荷)に感じる。落ち着かない、リラックスできない。漠然とした不安や憂うつを感じる。現実逃避したい、遠くへ行きたいと思う。自分のつらさが人には理解してもらえないかと思う。物忘れがひどくなる、物覚えが悪くなる、など。
「ねぇ、燃え尽き症候群って聞いたことがあるんだけど・・・」
対人援助専門職に良く見られる精神的健康状態で、長期間の対人援助で精神的エネルギーを著しく消耗するけれど、その労力に対して満足感や成功体験が得られない状態だね。燃え尽き症候群に陥る特性は、仕事における献身的態度、長時間勤務、仕事を家に持ち帰る、一人で仕事を抱え込むなどが挙げられる。また、症状として、相手に対して関心や気遣いがなくなる、突き放した機械的態度で相手に接する、仕事に対して張り合いがなく、悲観的に捉える、仕事に意欲がなく、熱心さや努力の減退がみられる、同僚に対する冷淡、否定的態度、イライラ感、怒りがでる、失敗を相手のせいにする傾向が強くなる、変化への抵抗を示す、柔軟性の欠如、想像力の低下がみられる。
「これは、介護職や介護者にも当てはまりそうだね。あと、ストレス反応による行動面ではどうなの?」
行動面での症状は、引きこもり、出社拒否、不登校、拒食、過食、異常な間食、異常なダイエット、コーヒーや炭酸飲料、アルコールなど、嗜好飲料の増加、物への依存、たとえばお酒、たばこ、異性、セックス、ゲームなど、突然わめく、怒るなど喜怒哀楽のコントロールができない、衝動買い、自分自身を傷つける、リストカット、自殺などがあるね。
「ストレスは、私たちのカラダやココロ、そして行動にずいぶんダメージを与えてしまうんだね。」
今回はこれでおしまい。
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